中国市場「スマホ出荷台数」、10年ぶり3億台割れ ファーウェイから独立した「栄耀」が2位に躍進

✎ 1〜 ✎ 1158 ✎ 1159 ✎ 1160 ✎ 最新
拡大
縮小
中国のスマホ市場全体が縮小するなか、栄耀は逆に出荷台数を大きく伸ばした(写真は同社ウェブサイトより)

中国市場向けのスマートフォンの出荷台数が、2022年は10年ぶりに3億台を下回ったことが、複数の市場調査会社のデータから明らかになった。例年の10~12月期はスマホ販売の書き入れ時だが、2022年は新型コロナウイルスの感染拡大で年末商戦が不発に終わり、出荷低迷に拍車をかけた格好だ。

市場調査会社IDCのデータによれば、2022年10~12月期の中国市場向けのスマホ出荷台数は7292万台。前年同期比12.6%減少し、四半期ベースで4期連続の2桁減を記録した。その結果、2022年の通年の出荷台数は2億8600万台にとどまり、前年比13.2%減少。過去10年間で初めて3億台を割り込んだ。

なお、別の市場調査会社カナリスのデータでは、2022年10~12月期の中国市場向け出荷台数は前年同期比14%減の7440万台。通年の出荷台数は同14%減の2億8700万台だった。

vivo、OPPO、シャオミは大幅減

市場全体のパイが縮小するなか、メーカー別の出荷台数は明暗が分かれた。2022年に逆風をついて躍進したのが(2020年に華為技術[ファーウェイ]から分離独立した)栄耀(Honor)だ。カナリスのデータによれば、同社の2022年の出荷台数は5220万台と前年比30%増加。市場シェアは18%に拡大し、首位のvivo(ビボ)と僅差の第2位に浮上した。

第3位につけたのは、前年比4%増の5130万台を出荷したアップルだった。高価格のハイエンド機種を好む(富裕層の)消費者の需要は、短期的な景気変動には左右されにくいことがプラスに働いたようだ。

本記事は「財新」の提供記事です

一方、栄耀とアップルを除く大手メーカーは出荷台数を大きく落とした。vivoは市場シェア首位の座こそかろうじて守ったが、2022年の出荷台数は5220万台と前年比27%減少した。

2021年に第2位だったOPPO(オッポ)は、2022年の出荷台数が前年比27%減の5040万台に縮小し、第4位に後退。同じく第3位だった小米(シャオミ)は同24%減の3860万台にとどまり、第5位に終わった。

(財新記者:劉沛林)
※原文の配信は1月30日

財新 Biz&Tech

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

ザイシン ビズアンドテック

中国の独立系メディア「財新」は専門記者が独自に取材した経済、産業やテクノロジーに関するリポートを毎日配信している。そのなかから、日本のビジネスパーソンが読むべき記事を厳選。中国ビジネスの最前線、イノベーションの最先端を日本語でお届けする。

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT