日経平均がさらに上昇する土台が整いつつある 「今年は前半調整」ではなく大発会が底値に?

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ファーストリテイリングだけでなく、多くの企業が物価高を上回る「賃上げ」を表明。日本株をめぐって「好材料」が増えている(写真:ブルームバーグ)

当初、2023年の日本株について、市場関係者の大半の意見は「前半調整」だった。それを裏付けるように、大発会の日経平均株価は前年末比377円安で始まった。

だが、ここ10年マイナスで始まった大発会の年は、結局年足では陽線となっている。逆に741円高で歓喜した2018年は大幅安となった。また、510円高だった昨年の2022年の結果も、周知のごとくである。

2023年について、IMF(国際通貨基金)やOECD(経済協力開発機構)は32年ぶりに日米のGDP成長率が逆転すると予測している。また来年2024年のOECD予測では、今のところアメリカ1.0%成長に対し日本は0.9%成長となっているが、もし岸田政権の諸政策が成功すれば2年連続の日米逆転となる可能性もある。このように、日本株の下げ要因は徐々に消えつつある。

「市場の見方」と「エコノミストの見方」の違いとは?

世界最大のアメリカ経済も、高インフレ対策の利上げを経て立ち直ろうとしている。利上げ幅は1月31日~2月1日のFOMC(連邦公開市場委員会)で0.25%と、減速傾向が明確だ。それでも、次の3月開催時に1回、場合によってはその次の5月にもう1回の利上げもありうる。

また、ECB(欧州中央銀行)も今回の2月2日の理事会で0.5%の利上げを実施、政策金利を8日から3%に引き上げる。イングランド銀行も0.5%の利上げで政策金利を4%としたが、欧州の消費者物価は前年比でまだ10%近くも上昇しており、なお数回の利上げが予想されるなど、厳しい金融引き締め環境は続く。

しかし、マーケットは「先が見えればいかなる状態も怖くない」のだ。ここがエコノミストの先読みと根本的に違うところだ。

次ページナスダックの戻りは「先が見えたこと」の証左
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