日本電産が大幅下方修正、車載事業が赤字の衝撃 巨額の構造改革費用、永守CEOは「垢を落とす」

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日本電産の永守重信CEO
日本電産の永守CEOは業績悪化について「垢を落とす」と説明した。写真は昨年6月の株主総会後の会見(編集部撮影)

大幅下方修正は市場に衝撃を与えた。

モーター大手の日本電産は1月24日、2022年度第3四半期(2022年4~12月期)の決算を発表した。今年度の通期業績について、期初には売上高2兆1000億円、営業利益2100億円を見込んでいたが、今回の第3四半期の決算発表に併せて、売上高2兆2000億円、営業利益1100億円へと修正。前期比23.3%増益の計画が、同35.4%の減益へと急ブレーキとなった。決算発表の翌25日の株価は一時、前日終値より532円安い7019円をつけた。

決算説明会翌日に公開された音声によると、永守重信CEOは、「われわれは一番に決算発表をする。モーターは経済指標。あらゆるところに納入していて、モーターだけ落ちてほかの部品は落ちないことはない」と話し、ほかの電子部品各社の変調を示唆した。

日本電産特有の事情も

日本電産の下方修正は、炭鉱のカナリアなのか。しかし、決算内容を見ると、背景としては日本電産特有の事情も大きい。

最たるものが車載事業だ。直前の第2四半期と比べ、第3四半期の売上高はほぼ横ばいの1403億円だったにもかかわらず、営業損益は54億円の黒字から80億円もの赤字に沈んだ。

下方修正のうち大部分を占めるのが、第3四半期に128億円計上し、第4四半期にも約500億円を見込む構造改革費用だ。中でも、欧州の車載事業に関するものの割合が高い。

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