世界から注目!「海藻スイーツ」の大いなる可能性 伊勢丹「サロン・デュ・ショコラ2023」に初出店

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シーベジタブルがサロン・デュ・ショコラ2023で販売した「すじ青のりのチョコレートケーキ」3000円。チョコレートビスキュイやチョコレートムースに、青のりガナッシュ、キウイフルーツ、青のりチョコレートキャラメルクリームなどが層になったケーキ(写真:シーベジタブル)
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世界で海藻が注目を浴びている。

代替エネルギーやエコ素材の原料、そして将来の食糧問題を解決してくれる食材として、さまざまな分野で海藻の研究が進んでいる。そんな中、1月19~25日に伊勢丹新宿店で開催された「サロン・デュ・ショコラ2023」に海藻のスイーツ「すじ青のりのチョコレートケーキ」「昆布と黒糖、カカオニブのセミフレッド」「赤い海藻とカカオパルプのミルクムース」が登場した。海藻のスタートアップ企業「シーベジタブル」で新しい海藻の使い方を研究し、商品開発を担う石坂秀威シェフによる、期間限定のオリジナルスイーツだ。

すじ青のりと聞いて一瞬驚いたが、抹茶を思わせるような香り高いすじ青のりとチョコレートのほろ苦さ、キウイフルーツの酸味。一つひとつが主張し合いながらスッと混ざり合ったおいしさにさらに驚いた。

日本近海には1500種類もの食用可能な海藻があり、海藻を食べるという文化が世界一豊かで長い歴史を持つ日本でも、実際に食べているのは多く見積もっても20〜30種類だという。                

そしてその食べ方は昔から変わっていない。ワカメは味噌汁か、ポン酢をかけてそのまま食べる。他の海藻も似たような状況だ。海外に目を向けても、アジア諸国では多少海藻食文化はあるものの、欧米諸国に至っては、環境や健康問題に敏感な一部の人たちを除いて、一般的に食べられているとは言いがたい。

海藻は褐色、緑、赤の3色に分類される

「海藻という、世界各地の海に存在するリソースを、これまで人類はほとんど活用してこなかった。そんな海藻がもつ大きな可能性を、僕らのテストキッチンから発信していきたい、そう思ったんです」と熱く語るのは、「シーベジタブル」の共同代表、友廣裕一さんだ。そして彼をしてそう思わせたのが、石坂シェフとの出会いだったという。

サロン・デュ・ショコラ2023で販売した「昆布と黒糖、カカオニブのセミフレッド」2800円。黒糖ケーキと昆布ガナッシュ、燻製カカオニブなどで作られたセミフレッドに、昆布ミルクチップ、キャラメリゼしたヒロメ(海藻)がトッピングされている(写真:シーベジタブル)

海藻は色によって紅藻(海苔など)、褐藻(昆布やワカメなど)、緑藻(アオサなど)に分類される。今回のスイーツも、その3つの色をテーマにした3品だ。

褐色で統一されたこのセミフレッド(半解凍のアイスケーキ)はモノトーンでシャープなデザインからは想像がつかないほど、優しくてクリーミーな甘さが印象的。

表面にのせられている茶色いシート状のものは、キャラメリゼしたヒロメという海藻。クリーミーさとカリカリッとした歯応えが楽しい一品。

次ページ日本にはおいしい海藻がたくさんある
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