「7代目マークⅡ」、セダンの栄華を極めた車の軌跡 1992年登場、高級感と豊富なグレード構成が魅力

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7代目マークⅡ
流麗なスタイリングで登場し、大きなインパクトを与えた7代目マークⅡ。バブル期に開発された贅沢な作りだった(写真:トヨタ自動車)
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20~30年以上経った今でも語り継がれるクルマが、続々と自動車メーカーから投入された1990年代。その頃の熱気をつくったクルマたちがそれぞれ生まれた歴史や今に何を残したかの意味を「東洋経済オンライン自動車最前線」の書き手たちが連ねていく。

3ナンバー化した7代目マークⅡ

1992年10月に発売されたトヨタ自動車「マークⅡ」7代目(X90型)。最大の特徴は、ハードトップのボディの“3ナンバー化”だった。

もともと「コロナ・マークⅡ」として1968年に初代が登場し、「クラウン」と「コロナ」の間に位置したマークⅡ(4代目まではコロナ・マークⅡと名乗った)。9代目(2000~2004年)まで続いた後、「マークX」(2004~2019年)に引き継がれたものの、セダン離れの流れもあって通算11代で幕を下ろした歴史があるが、7代目マークⅡの時代は“まだ”セダンが憧れの頂点に君臨していた。

トヨタのプレミアムセダンだけ見ても、7代目マークⅡにはじまり、クラウンマジェスタ(1991年)、初代アリスト(1991年)、それに初代セルシオ(1989年)と車名があげられる。

その7代目マークⅡの3ナンバー化は、「日本を代表する高級パーソナルサルーン」というコンセプトにしたがい、上昇志向の強い当時のマーケットに向けたもの。

全長4750×全幅1750×全高1390mmで3/5ナンバー枠の境界となる全幅1700mmを軽く超えた。同時に、私が感心したのは、ボディが大きくなったことにともない、走行性能に寄与するトラック(トレッド=左右車輪の中心線間の距離)も、ちゃんと広がったこと。

「ハードトップ2.5グランデG」というモデルで比較すると、1988年登場の6代目マークⅡ(X80型)に対して、フロントで30ミリ拡大して1485ミリ、リアが40ミリ拡大の1495ミリになった。

じつは7代目のもうひとつのテーマは、「高質な走り」。サスペンション形式は前後とも、路面への追従性が高いダブルウィッシュボーン式(先代はフロントにマクファーソンストラット)を採用。

ラインナップは、スポーティな“ツアラー”系と、ラグジュアリーな“グランデ”系がメイン。加えてベーシックな“グロワール”系と“GL”系が用意されていた。

内外装だけでなく、サスペンションやステアリングシステムのチューニングも相応の性格分けを行った、とトヨタでは当時のプレスリリースに記している。

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