今夏開業、宇都宮ライトレールが描く未来の交通 ファン押し寄せるが観光列車ではなく地元の足

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宇都宮ライトレールは2023年8月開業予定(写真:筆者撮影)

2023年8月の開業に向けて準備を進めている宇都宮ライトレールは、宇都宮市、芳賀町が施設の整備・保有を担い、宇都宮ライトレール株式会社が運行を担う、公設型上下分離方式による軌道・路面電車である。

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車両は全17編成

JR宇都宮駅東口と芳賀・高根沢工業団地(芳賀町)を結ぶ全長14.6kmの路線で、LRT(Light Rail Transit(ライト・レール・トランジット)の略称である。

LRTとは、「次世代型路面電車システム」と呼ばれ、各種交通機関との連携や低床式車両(LRV)の活用、軌道や停留場の改良によって、乗降を容易にするなど、優れた特徴がある。

宇都宮ライトレールで採用している路面電車タイプの低床式車両(LRV)HU300形電車は、2021年5月から車両基地の整備とあわせ納入が始められ、2022年6月には全17編成がそろった。試運転は、先行して整備が完了した車両基地のある平石―宇都宮駅東口の区間において、2022年11月17日から開始している。

しかし、同月19日に異常時走行を想定した試運転中、宇都宮駅東口に入線する手前の分岐器付近で脱線が発生した。人的被害はなかったものの、開業を心待ちにしている住民らに大きな衝撃となった。調査の過程では、車両と施設関係に欠陥はなかったようだが、事故原因は引き続き調査をしていくという。

試運転から水を差すような出来事になってしまったが、宇都宮市や芳賀町などの沿線利用者にとって、期待を失うことはなかった。事故後の26日に開催された「出張ライトライン見学会」は、開業を心待ちにしている人たちで賑わった。

多くの人が宇都宮ライトレールに大きな期待を寄せている。開業までまだ時間があるので、原因を特定し、しっかりと対策をしてくれるはずだ。

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