「マスコミ取材」広報がうまく立ち回るための秘策 プレスリリースと記事との「差分」を読み解く

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マスコミ取材でトラブルに発展しないために重要なポイントとは(写真:SAMURAI/PIXTA)
なんだこの記事は! 話したことと趣旨が違うじゃないか――。良かれと思って受けたマスコミからの取材。ところが書かれた内容が取材対応者の意に沿わず、トラブルに発展するケースも。そうならないよう、広報は相手の媒体の過去記事を読み込んで対策を立てておく必要があります。そのポイントについて、現役広報パーソンの著書『マスコミ対策の舞台裏 役員からの電話で起こされた朝』より一部引用・再構成してお届けします。

とほほ…媒体への「申し入れ」

広報担当者ならマスコミから取材や問い合わせを受けた記事が掲載される日は、朝からドキドキしているに違いありません。出社するや否や取材を受けてもらった担当者から、「俺が言いたかったことが書かれてない!」とか、「思ったような記事じゃなかった(かなり抽象的ですが、言われがちなフレーズ)」なんていう内線電話やメールにへこむこともあるでしょう。

こうした萎えるような出来事は、新聞やビジネス系の媒体だけでなく、一般誌などでの商品開発インタビューでも起こり得ます。経験を積んだ今なら「だから止めたじゃないですか。調子に乗ってしゃべりすぎなんですよ」と言って、上手に収められるかもしれません。しかし若い頃は、記者側と取材を受ける側の期待と現実のギャップが社内で大事件となり、「媒体への申し入れ」という最悪の事態に発展したこともあります。これが取材記事の怖いところです。

そうした「事件」の責任は、大抵は広報が背負うことになります。社内で身を守るためにも、広報は防御策を講じておくべきです。

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