購入者分析で見えた「コンパクトSUV」本当の素質 比較車や購入理由からメーカーの課題も露わに

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人気のコンパクトSUV、7モデルの新車購入者データを分析した(写真:本田技研工業、マツダ、SUBARU、トヨタ自動車、ダイハツ工業、日産自動車)

コンパクトSUV人気が止まらない。2010年代に入ってから続く世界的なブームに牽引され、日本国内でもコンパクトSUVが“売れ筋のジャンル”となって久しい。

道幅の広くない日本では、コンパクトなボディサイズが好まれる。加えて、車両本体価格が手頃であること、燃費も比較的よいことなどが人気を後押しする。それゆえ各社がラインナップを充実させ、競争は激しくなる一方だ。

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実際にどんな車種がラインナップされているかを見ると、トヨタ「ヤリスクロス」「カローラクロス」、ホンダ「ヴェゼル」、マツダ「CX-30」、スバル「XV」……と、それぞれが実に個性的で、独自のキャラクターを持っている。

今回は、これら人気のコンパクトSUVの購入者を分析してみた。実際に新車を購入したユーザーから、それぞれのキャラクターの違いなどを逆算して浮き彫りにする形だ。分析対象は次の7車種とする。

<分析対象7モデル>
■トヨタ「ヤリスクロス」(189~293万円)
■トヨタ「カローラクロス」(199~319万円)
■ホンダ「ヴェゼル」(227~329万円)
■マツダ「CX-30」(245~391万円)
■スバル「XV」(220~295万円)
■日産「キックス」(279~344万円)
■ダイハツ「ロッキー」(167~235万円)
※()内は税込み車両価格。千円以下は切り捨て表記

ヤリスクロスとロッキーの2車種は、他の5車種よりやや下の価格帯に位置するが、比較対象として取り上げることとした。また、購入時の市場環境やトレンドの影響を揃えるために、分析対象者はすべて2020年1月以降の新車購入者としている。データは、いつものとおり市場調査会社のインテージが毎月約70万人から回答を集める、自動車に関する調査「Car-kit®」からだ。

<分析対象数>
■トヨタ「ヤリスクロス」:1803名
■トヨタ「カローラクロス」:890名
■ホンダ「ヴェゼル」:1162名
■マツダ「CX-30」:553名
■スバル「XV」:406名
■日産「キックス」:631名
■ダイハツ「ロッキー」:372名

購入者の性別・年代構成

まずは、購入者の性別・年代構成から見てみよう。

ボディタイプがSUVであるためか男性が多数派となり、カローラクロス、ヴェゼル、CX-30では7割以上が男性であることがわかった。

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