2022年「炎上した広告」主な17案件に見る痛い教訓 「コンプライアンス社会」で進行する緩やかな分断

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2022年に炎上した企業関連の案件を振り返ります(写真左より性加害が報道された香川照之氏が登場していたトヨタイムズの紙面、右は社長のツイッターでの発言が波紋を呼んだ焼肉ライクの店舗外観)

2022年もそろそろ終わりだが、新型コロナの感染が収束の兆しを見せてきた一方、ロシアによるウクライナ侵攻、安倍元総理の殺害事件とその後の旧統一教会や国葬の問題、円安と物価高の進行など、波乱の多かった一年だった。

こうした出来事は、企業活動にも大きな影響を及ぼしているが、私の専門である広告・宣伝・PR関連においても、時代の変わり目を迎えていることを示唆するような出来事が多々あった。本稿では、「炎上案件」を中心に、時代の潮流を読み解きたい。

2022年に起きたのは、「炎上」というよりは「論争」

早速、広告・PR関係における2022年の「炎上案件」を振り返ってみよう。炎上に限らず、1年間のトラブルを一覧にしたのが下記の一覧である。

2022年の主な広告・PR関連のトラブル
【1月】
●ファッション通販「ITS’DEMO」が、サンリオのキャラクター「マイメロディ」とコラボし、同社の公式ツイッターアカウントでキャラクター・マイメロディのママのセリフを連続ツイート。ジェンダーバイアスを助長するとして批判を浴びる。一部商品を店舗で販売中止 (日本)
【2月】
●新宿駅に掲出された、アニメ『鬼滅の刃』の広告に関して、露出の激しい女性キャラクターの胸元を隠すようにエフェクトがかけられていることが、ネットで話題化 (日本)
【3月】
●ノースサンド社人事のツイッターアカウントの「給与や待遇にこだわりのある人とは働きたくない」という投稿が批判を浴びる (日本)
【4月】
●日経新聞が漫画『月曜日のたわわ』の全面広告を掲載し、未成年の性表現に関して議論が起こる (日本)
【6月】
●スシローの「おとり広告」に対して、消費者庁から措置命令を出される (日本)
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