前職を短期で辞めた応募者を中途採用する注意点 思い込みは好人材の採用チャンスを逃す

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面接前に履歴書でおさえておくべきポイントとは?(写真:たっきー/PIXTA)
求人募集をしてから採用面接にたどり着くまでには、労力とコストがかかっています。この最終局面で失敗してしまっては元も子もありません。中小企業の面接では、「応募者と会社の価値観が合っているかどうか」を見極めることが重要です。本稿では『採用がうまくいく会社がやっていること』より一部を抜粋・編集のうえ、「面接で確認したい3つのポイント」について解説します。

履歴書で必ず確認すべき3点

面接は、履歴書と職務経歴書(以下、本稿では単に「履歴書」と言います)を確認しながら、進めるはずです。履歴書には、大きく3つ確認したいポイントがあります。それは「最初に就職した仕事」「短期離職」「退職理由」です。この3つを確認すると、応募者の大まかな人となりが見えてきます。

①「最初に就職した仕事」から「好き」が見える

中途採用では、面接で「どういった仕事をしてきたのか」「どういった成果をあげてきたのか」を聞くことが多いはずです。一通り経歴を確認したら、学卒後に「最初に就いた仕事」を、深掘りして聞きましょう。

なぜ最初に就いた仕事を確認する必要があるのでしょうか。それは、最初に就いた仕事に、本人の「好き」が現れていることが多いからです。もちろん最初に就いた仕事が好きではないこともあります。ただ、その場合でも本人の「傾向」が現れていることが多いです。こんな具合に質問してみましょう。

「最初に就いた仕事は、自身の興味があることが多いのですが、あなたの場合はいかがですか?」

必ずしも、好きではない仕事に就いた場合もあるでしょう。「ただ、なんとなく名の通った会社だから就職した」「いろいろ受けたけど、そこしか通らなかった」「何をやりたいかわからなかったけど学校の先生から勧められたから就職した」「親のコネで入社した」といった感じでしょうか。

ただ、本人が好きではない、あるいはなんとなく就職した場合でも、やはりそこには、本人の傾向が現れています。

「なんとなく名の通った会社だから就職した」ということは、仕事内容より「名が通っていること」を大事に考えているのかもしれません。「そこしか通らなかった」ということなら、まずは仕事に就くことで、「収入を得る」「世間体を整える」ということを、その当時は大事にしたのかもしれません。「学校の先生の紹介」「親のコネ」でということなら「仮にその仕事が好きでなかったとしても、他者や年長者の意見を優先させる」傾向があるのかもしれません。

必ずしも好きな仕事に就いたわけでなくとも、「傾向」を確認することで、面接での話が広がりやすくなります。本人が気づいてない部分を教えることにも役立ちます。また、最初に就いた仕事を聞かれることは、応募者も予想していないので「予期しない質問」への対応力、柔軟性を見ることもできます。

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