自分の仕事を過小評価する女性が再生産される訳 人生のA面もB面も詰まった「ヒント本」を読む

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スーツを着てうなだれる女性
「多くの女性が、自分にも他人にも厳しい目を向けている」と『ビリーブイット』著者ジェイミー・カーン・リマ氏は語ります(写真はイメージ:HiroS_photo/PIXTA)
2022年11月5日、朝日新聞東京本社にて、同社のエッセイ投稿メディア「かがみよかがみ」と東洋経済新報社のコラボイベントとして、『ビリーブイット』読書会が開催された。
ゲストにZ世代の論客・ヒオカ氏、MCとして朝日新聞社ウェブメディア「かがみよかがみ」編集長の伊藤あかり氏が登壇し、前編「発信者に学ぶ『否定的な声』を冷静に聞く技術」につづき、女性ならではの社会心理について語った。

仕事と私生活、両面あっての人生

伊藤あかり(以下、伊藤):『ビリーブイット』は、一般的なビジネス書とは違いがあるように感じました。一般的なビジネス書は、「こうして私は成功し、億万長者になった」というものが多い印象です。そういう意味で私はこの本をビジネス書とは思わず読みました(笑)。

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ジェイミーは、起業家として何百時間もがんばって仕事をし、イットコスメを成長させている一方で、プライベートな家庭のこともたくさん書いています。仕事がとても忙しいさなかに、産みのお母さんを探しているんですね。

女性は、仕事を頑張る「A面」と、出産や子育てをする「B面」とを行き来しながら生きていますが、一般的なビジネス書はたいてい「A面」だけにフォーカスが当たっているように思います。

実際には、長時間働いている“だけ”の人はいません。仕事もあり、プライベートもあって、どちらも成功させたくて、でもできずに悩んでいるという本書のほうがリアルに感じます。

ヒオカ:そうですね。「化粧品会社を成功させた」というだけの話だと、自分からは遠いすごい人の話に感じますが、本書には、普遍性のある問題が書かれているのかなと思います。

企画を上司に通したいけど、「そんなもの売れないでしょう」と言われてしまったという経験は、みなさんにもあると思います。

でもそういう時に、トライアンドエラーを繰り返しながら、どういう気持ちでいれば突き破れるのかというところがリアルに描かれていますね。誰にでも思い当たるところがある本だなと思いました。

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