若者が「強い"敗者"意識」に囚われている残念な訳 合計11浪の2人「笑われても"高望み"受験を!」

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「自分は敗者だ」という意識の若者が、とても多くなっているといいます(撮影:尾形文繁)
2浪、偏差値35から東大に入り、新刊『東大独学』を上梓した西岡壱誠氏。9浪の末、ついに早稲田大学合格を果たした経験をまとめた『浪人回避大全』を執筆した「9浪はまい」こと濱井正吾氏。
2人はいま、西岡氏が経営するカルペ・ディエムという会社で、中高生を相手に勉強法の指導を行っている。ここでは、最近の中高生の「気になる変化」について語ってもらいました。

日本の学生は「ほとんど敗者」になっている

西岡壱誠(以下、西岡):いろんな学校現場を見ていますが、最近は、「自分はがんばってこの高校に入ったんだ。受験勉強もがんばってあの大学に行きたい」という意欲のある子が減っていますね。

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濱井正吾(以下、濱井):わかります。この5年でもかなり減りました。

西岡:勉強だけではありません。部活動は縮小傾向にありますし、おまけにコロナで大会なども激減。「自分はがんばってできるようになったんだ」という成功体験を持つ機会自体が、激減しています。

するとどうなるか。言い方は悪いですが、今の学校は「自分は敗者だ」という意識の子がとても多いように感じています。特に、地域のトップ校に落ちた子が行く2番手ぐらいの学校では、ほとんどが「自分は敗者だ」という意識ですね。

濱井偏差値が高くても、そう思っているんですよね。

西岡:そう。偏差値70でも、敗者。合格しても、勝っていないという気持ちの子ばかりです。

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