「ちゅ〜る」が猫からも人間からも愛されるワケ またたびが入っている?植物由来はおいしい?

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「世界の猫を喜ばす」のキャッチコピーで知られる、いなば食品のCIAOちゅ〜る。猫好きの間では、猫の食いつきのよさでトップに挙げられる猫用おやつだ(写真:いなば食品)
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2022年の「猫イヤー」も終わりに近づいた。

この年、10周年を迎えた猫用大ヒット商品がある。いなば食品の「CIAOちゅ〜る」だ。一般投稿の猫動画と、頭に残って離れない歌が流れるCMなど、猫好きの心理を捉えるのがうまい会社という印象がある。

何より、猫を飼っている人の間では「猫の食いつきのよさ」で定評がある。「またたびか何か入っているのではないか」との噂も流れるほどだ。

これまでなかなか、メディアに登場することはなかった同社に、このたびインタビューを申し込むことができたので、今回はCIAOちゅ〜るの秘密に迫っていきたい。取材に対応していただいたのは、いなば食品マーケティング部だ。

「人間用食品の余り」をやめたらヒット

製造販売元である、いなば食品グループはもともと、ツナ缶などの缶詰・レトルト食品のメーカーだ。まぐろやかつおの血合いなど、人間用缶詰の製造過程で出る端材を使って、ペットフードを製造していた。

しかし血合いなどの部位はタウリンなどの栄養も含まれているが、鮮度が落ちやすい。とりわけ餌の新鮮さに敏感な猫にとって好まれないということで、1990年に発売されたのがCIAOホワイティシリーズ。「人間用食品の余り」でなく、猫用として白身の部分を使い、人間用の食品と同等の品質管理を行った。これがヒットし、CIAOブランドを知らしめるきっかけとなる。

なお同社によると、CIAOはイタリア語のあいさつ「CIAO!」の意味とのことだ。深い意味があるわけではないが、日本でのペットフード事業を始める以前から、イタリアにペットフードを輸出していたことが関係しているのでは、という。

現在「CIAO」は猫用の総合栄養食品(フード)、おやつなど全般のブランド名として使われている。犬用ペットフードに参入したのは1993年と猫用より後で、犬用は「いなばシリーズ」として販売されている。

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