値引き交渉不可能なテスラに顧客が満足する理由 「合理化」と「おもてなし」の融合がDXのツボ

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テスラの電気自動車
テスラは「合理化」と「おもてなし」の融合によって、顧客の心をつかんでいます(写真:いがぐり/PIXTA)
今、多くの日本企業で行われているDXは北米生まれのプラットフォーマーや、SaaS企業、ハイテク企業の考え方に基づくものだ。
しかし、外国のやり方をそのまま日本企業に定着させるのは、非常にハードルが高い。日本企業のよさが薄れるだけでなく、日本の組織文化も失ってしまう可能性がある。
日本企業とグローバル企業、ITベンダーとユーザー企業でキャリアを築いてきた各務茂雄氏には、日本企業にふさわしい、新しいDXの形が見えてきている。それをまとめたのが氏の著書『日本流DX』。今回は合理化(デジタル)とおもてなし(アナログ)を融合させたDXについて解説する。

テレワークよりバリューチェーン最適化

DX(デジタルトランスフォーメーション)というと、テレワーク実施率を高めることとつなげて考えてしまう人もいると思うが、DXのゴールはそこではない。

日本流DX: 「人」と「ノウハウ」 究極のアナログをデジタルにするDX進化論
『日本流DX: 「人」と「ノウハウ」 究極のアナログをデジタルにするDX進化論』。(書影をクリックすると、Amazonのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

DXのゴールは、働く環境の利便性を高め、仕事のスピードを上げるために、デジタル思考とデジタル技術を用いてビジネスに関わるあらゆる事象に変革をもたらすことである。

そのために注目するポイントが「バリューチェーンの最適化」、つまりビジネスのすべてのプロセスの無駄をなくし、モノやサービスを作っている人と、それを消費する人々をできる限り近づけるということである。

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