海外旅行の物価高対策、「ドミトリー」のすすめ 高級ホテル1泊分の値段で1週間滞在できる

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ドミトリーの10人部屋。ベッド下の引き出しが荷物入れ(スロベニア)(写真:谷川一巳)

海外で鉄道の旅をしたいのはやまやまだが、ロシアのウクライナ侵攻に伴うエネルギー供給不安定化による物価高、そして円安の影響で、海外旅行の際のモノの価格がかつてと違ってきている。費用を抑えることが、以前にも増して重要な要素になった。

たとえ治安の良い国であっても、物価が高い国へは行きにくい。かつては「日本人は金持ち」のイメージがあったようだが、過去の話になってしまった。

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ビッグマック指数の問題点

一般的に安全度の高い北欧、スイス、アイスランドなどは物価が高いことで有名であるが、かといって旅行者物価のランキングでこれはというものがない。よくマクドナルドのビッグマック価格で比べられることがある。マクドナルドが世界中にあることから物価の指標にはなるが、マクドナルドを庶民的な店と捉えている国もあれば、庶民には敷居の高い店と捉えている国もあるので、ビッグマック価格で旅行者物価を決めることはできない。

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実際、スイスのマクドナルドは高額であるが、それでもスイスでは一番安い飲食店であろう。いっぽう発展途上国ではマクドナルドは高級な店なので、庶民的な店へ行けばもっともっと安く食事できる。

外食する人が少なく、飲食産業が発達していないためにレストランなど旅行者物価が高く、スーパーマーケットでの食料品は安い国もあるし、飲食が高く鉄道運賃などが安い国も多い。日本は外食などの物価が安く、鉄道運賃も地下鉄やJRの初乗り運賃などは確かに欧米などと比較すると安い。しかし、目的地までに東京メトロとJR、私鉄とJRというふうに、複数の会社を乗り継がねばならないことが多いことを考えると、実質的な交通費は決して安くない。訪日外国人からすれば、JRのパスを購入しても箱根(小田急)も日光(東武)も行けないなど、交通事業者が多いので、交通費が高くつく国となっている。

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