今晩!「クロアチア戦」で押さえたい3つのポイント 前回MVPモドリッチ37歳が活躍するチームの秘密

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濵吉さんは「ドイツ・スペイン戦のように相手をリスペクトしすぎず、日本の強みであるコレクティブにアグレッシブにスピードを活かして戦うことが大切」だと断言する。

「ドイツ、スペイン戦と同じやり方では、もしかしたら通用しないかもしれません。もう3試合しているのですから、相手もかなり分析してきます。ただ、日本もクロアチアを丸裸にしているはずです」とピッチ外での戦いにも注目する。

オーバー35歳は20年前の実に2倍

ベテランならではの動きも気になるところだ。このモドリッチを始め、今大会は35歳以上のベテラン選手の活躍が目立つ。アルゼンチンのメッシ(35)、ブラジルのチアゴシウバ(38)やダニエウ・アウベス(39)など、枚挙に暇がない。

あまりに目立つので32か国で35歳以上のエントリー選手をカウントしてみたら、38人もいた。ゴールキーパー18人、フィールドプレーヤーは20人である。

20年前の2002年W杯日韓大会も調べてみたら、開幕日当日までに35歳になっている選手は計19人で、ゴールキーパー8、フィールドは11人。オーバー35歳が20年間でおおむね”2倍”に増えていた

これまで、体力的にハードなサッカーはスポーツの中で「現役時代が短い競技」と言われてきた。しかし、科学トレーニングの進化発展と、メディカルトレーナー、フィジカルコーチといった体をケアする専門性を持つ人たちが増え、その役割の重要性は世界の常識に。そのような変化もあって、長くトップで活躍できる環境が整備されている。

ベテラン選手が増えた理由を、イタリア1部リーグのACミランで約20年間メディカルトレーナーを務めた遠藤友則さん(上土整形外科・スポーツクリニック)に尋ねると、「体のケアに関する選手の意識が欧州を中心に高くなってきたからでしょう」とういう答えが返ってきた。さまざまなトレーニング機器や効果的なトレーニングを伝えられる優秀なトレーナーがいても、選手がそこに意識を向けられなければ成果は生まれないというのだ。

例えば、遠藤さんがミランで仕事をしていたとき、北欧から来た選手やオランダ(イングランドの)プレミアリーグ経験した選手たちにストレッチをやってと伝えると、抵抗する人は誰もいなかった。ところが、南米をはじめそういうことが重要だという教育をされていない選手は「俺は30年間サッカー選手やっていたけど今までやったことはない」と抵抗された。

一方で今年9月、以前ミランで本田圭佑とプレーし、現在はスペインリーグに所属するスソ(29)からの依頼によりスペインで彼の治療やケアをサポートした際、こんな会話があった。彼がきちんとケアできていることに対し、遠藤さんが「君はすごいね」と話しかけたら、スソが「僕のメンタリティはイングランドで養われたからね」と言ったという。

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