強制入院4回に「強い疑問」、統合失調症の男性訴え 「精神医療問題」身体拘束の数は約10年間で2倍

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身体拘束の様子。腹部、左右の手首、足首をベッドに固定することは「5点拘束」と呼ばれている。モデルは本文中の長谷川利夫教授(写真:杏林大学長谷川教授提供)
インクルーシブ(inclusive)とは、「全部ひっくるめる」という意。性別や年齢、障害の有無などが異なる、さまざまな人がありのままで参画できる新たな街づくりや、商品・サービスの開発が注目されています。
そんな「インクルーシブな社会」とはどんな社会でしょうか。医療ジャーナリストで介護福祉士の福原麻希さんが、さまざまな取り組みを行っている人や組織、企業を取材し、その糸口を探っていきます【連載第9回】。

いま(12月2日時点)、臨時国会で障害者に関する5つの法律の改正が審議されている。

議題に上がっているのは障害者総合支援法、精神保健福祉法、障害者雇用促進法、難病法、児童福祉法で、これらは1本にまとめた“束ね法案”として提案された。だが、束ね法案で審議されるときは注意しなければならない。これまでの法改正の審議でも束ね法案が出たときは、改正内容に含まれていた問題点を隠そうとした前例(*1)があったからだ。

ていねいに議論することなく審議

今回も、5つの法律はそれぞれ当事者の生活に大きな影響をもたらすにもかかわらず、改正案をていねいに議論することなく、まとめて審議している。10月下旬の衆議院予算委員会では、天畠大輔参議院議員(40)が質疑に立ち、「今回も束ね法案になっているのは、毒が含まれているからではないか」と岸田文雄首相に問いただすなど、れいわ新選組をはじめとする野党と当事者団体が猛烈に反対した。

天畠大輔議員
国会質疑をしている天畠参議院議員(写真:天畠大輔事務所提供)
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