「1人で始め、従業員は増やさない」起業を勧める訳 独立前に「役員経験」をすることで意識が変わる

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働き方が大きく変わり、キャリアを主体的に選ばざるをえない時代。転職と独立を経験した観点から、キャリアの描き方を紹介します(写真:8x10/PIXTA)
「場所と時間に捉われない働き方」「企業依存型からの脱却」「独立やフリーランスの増加」「出世の意味合いの変化」など、この数年で私たちの働き方は大きく変わりました。誰もがキャリアを主体的に選ばざるをえない時代、私たちはどのようにキャリアを描いていけばいいのでしょうか?
転職3回、独立1回を経験してきた佐藤文男氏の著書『働き方が変わった今、「独立」か「転職」か迷ったときに読む本』から内容を一部抜粋・再構成してお届けします。第1回は、転職と独立を経験してきた佐藤氏が、独立までにしておいてよかったことをご紹介します。

私の職務経歴を振り返ると、総合商社、外資系金融機関、メーカー、人材紹介業と、統一感のない業種の中でキャリアを描いてきました。ただし、職種の観点からは「人事」と「営業」を交互に経験した後、37歳で転職をした人材紹介の世界に入り、ここでの経験が独立をする大きなきっかけになりました。

これは最初から意図していたわけでは決してありませんでした。新卒で商社に入社した際は、一生ここに在籍するのだという想いで、独立なんてまったく考えていませんでした。

そういう人間が今では独立を経験しているという事実を、まず皆さんに知っていただきたいのです。

自分ならではのビジネスモデル

私の場合、会社を立ち上げるときは最初から1人で独立することを決めていました。同業や同じ会社の仲間を誘って独立する人もいますが、私は自らの判断で行動しようと考えていました。それに学生時代の自分の経験を振り返ると、人と組んで何かをやるよりは、自分1人で動くことを好む傾向がありました。

そんな自分の特性を生かすためには、無理して人と組む必要もなく、会社自体を大きくしようとも初めから考えませんでした。結果的に、今までお世話になった会社にも失礼にならず、独立の際にお世話になった企業から人材を引っ張ったりすることで、もめるケースもありませんでした。

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