キットカットが受験生応援の一品になれた舞台裏 元ネスレ日本社長が明かすキャンペーン誕生秘話

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ネスレ「キットカット」と受験生
定番となるまでには、関係者の地道な努力がありました(撮影:尾形文繁<右>、写真:metamorworks/PIXTA<左>)
 元ネスレ日本代表をつとめ、現在はビジネスプロデューサー・マーケターとして多くの企業を成長に導いている高岡浩三さん。近著『イノベーション道場』は、「ネスカフェアンバサダー」「キットカット受験生応援キャンペーン」など、数々の革新的サービスを世に送り出してきた高岡さんの経験から練り上げられた、「イノベーションを生み出す手法」を惜しみなく公開しています。現状打破を考えるビジネスパーソンなら必読の本書より、内容を一部ご紹介します。

イノベーションはこのようにして起こす

プロジェクトチームは、基本的にもう先に進めないと諦めていました。しかし、私は諦めていませんでした。その根拠は、九州のスーパーでの売り上げが、毎年1月、2月だけ突出して伸びている事実です。

「九州では、受験生にキットカットを贈る習慣がある」

最初にその事実を教えてくれたのは、鹿児島でもっとも大きなリージョナルチェーンの社長でした。その社長が、顧客に直接聞いたというのです。

「キットカットと、きっと勝つ(方言で『きっと勝っとう』)を掛けている」

売り上げと関係なければ、私も一部の地方で流行しているだけの話と聞き流していたでしょう。ところが、実際に普段より売り上げが伸びているのです。そこには何かがあると感じました。

そこで、お客さま相談室に寄せられた声を集めてみました。すると、ちらほらと似たような声が寄せられていたのです。

次ページ少ない需要の声を広めていけば、すごいことになる
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