「5代目プリウス」考え抜かれた内装にも映る進化 薄く見せながらも立体的な造型で囲まれ感を演出

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5代目プリウスの外観デザイン
ルーフのピークが後方に移動してウェッジシェイプが強くなったものの、室内空間は影響を受けていない

5代目に生まれ変わった新型「プリウス」は、従来型よりぐっとスタイリッシュになった。インテリアも新しく、見るべきところがたくさんある。「良いデザインはデザイナーだけでは作れない」。東京で開かれた発表会会場で登壇したトヨタ自動車のデザイン統括部長サイモン・ハンフリーズ氏がそう述べたのが印象的だった。

「エンジニアリングチームは、車高を下げ、ホイールベースを長くし、タイヤを19インチにする努力をしましたが、必ずしもそれは論理的ではありません」

ハンフリーズ氏によると(どうやら)私たちユーザーのエモーションをかきたてるようなデザインを実現するため、デザイナーとエンジニアとが共同して開発にあたったということなのだ。

空力のためのデザインにはしていなかった

エンジニアリングの論理が主体になると、”カッコよくないかもしれないけれど空力の値が良好なのでこのデザインでいこう”とか、そういう結論になってしまう可能性もなきにしもあらず。

新型プリウスはそうではない。「過去の反省(!)に立ち、スタイリッシュな魅力も追求しました」。私が会場で話を聞いた開発チームのデザイナーはそう語ってくれた。

エクステリアとインテリアともに、開発陣が「がんばりました」と言ったのが、上記ハンフリーズ氏の言葉にも出てきた車体の全高を下げたこと。

従来プリウスは、空力のために、全高のピーク(最も高いところ)がルーフのかなり前のほうにあった。今回はあえてそれをずっと後ろにずらして、スムーズなルーフラインを作り出している。それによって、集まった報道関係者の多くが”きれいだね”と感想をもらしたシルエットを生み出しているのだ。

実際の数値でみると、全高は従来比マイナス40ミリ。それにしたがって、インテリアでも、前後席とも乗員のヒップポイントを30ミリ下げたという。私は実車に座ってみたが、(もちろん)悪い影響を受けた印象は皆無。

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