子供が大人になっても依存し続ける親の心理構造 不安を抱え、自分に都合の良い生き方を押し付ける

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親子
子どもを支配あるいは依存してしまう親の特徴とは?(写真:metamorworks/PIXTA)
20代〜60代の大人になっても親から支配や依存を受けていて、そんな状態から脱出できずに苦しんでいる成人以降の人たちがいます。親子関係の問題を作り出している原因は何か、何を解決していけばいいのでしょうか。
大人になってからの親との関係に悩んでいる人たちを専門にサポートする親子関係カウンセラー、川島崇照さんの著書『嫌いな親との離れ方』から一部抜粋、再構成して子どもに頼りかかろうとして、支配や依存をしてしまう親の心理構造や抱える心の問題について解説していきます。

4つのコンプレックス

子どもに支配や依存をしてしまう親というのは、強い不安感を抱えていて、その不安が子どもから与えられたものだと錯覚し、子どもをコントロールことで自身の安心を得ようとします。

まずは、その強い不安感について詳しく解説していきましょう。

「コンプレックス」という言葉を聞いたことがあるかと思います。

「コンプレックス」を簡単に解説すると、強い不安感で自分自身の本心に従って思考や行動ができない心理状態のことを指します。

そして、子どもに支配や依存をしてしまう親のコンプレックスを作り上げている強い不安は、大きく分けて4つのタイプに分かれます。

1.失う不安
2.孤独・孤立への不安
3.無価値・無能への不安
4.自由を奪われる不安

大まかに説明すると、「1.失う不安」と「2.孤独・孤立への不安」は、子どもへの執着心が強く、依存しようとして自立を阻んでしまうタイプです。

女性である母親がこのタイプの不安を持っていることが多いです。

「3.無価値・無能への不安」と「4.自由を奪われる不安」は男性である父親が持ちやすく、自分が満足することばかりを考えていて、子どもを支配して都合の良い状態をつくろうとするタイプです。

<1.失う不安を抱える親の特徴>

失う不安を抱える親は、無意識のうちに自分には愛される価値がないと決めていて、そんな自分は大切なものをいつか失うはずだと強い不安を感じています。

そんな親の多くが、子どもに生きがいを求めて依存しようとします。

自分のそばからいつか子どもがいなくなってしまうのではないかと不安になって、いつまでも監視がやめられません。

子どもが成人していても自由を尊重できず、いつ、どこで、誰と、何をしているのかを知りたがって過干渉を繰り返します。

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