弁護士ドットコム元榮氏「電子契約を根付かせる」 参院議員から経営復帰して気付いた自分の使命

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弁護士ドットコムの元榮社長は電子契約サービスの利用率の低さに危機感を抱く(撮影:今井康一)

企業や行政のDX(デジタル・トランスフォーメーション)をどう進めるか━━。

「弁護士ドットコム」創業者の元榮太一郎氏。2022年7月25日をもって6年間の参議院議員の任期を終え、代表取締役社長として再び経営の第一線に戻ってきた。

インターネットで気軽に法律相談を受けられる「弁護士ドットコム」、電子契約サービス「クラウドサイン」と、リーガルテックを牽引し続けてきた元榮氏は、いま政府が進めている「司法のDX」をどう眺めているのか。AI(人工知能)は弁護士業務にどんな変革をもたらすと考えているのか。

元榮氏に対し、永田町での経験で得られたこと、経営者としての今後の抱負をともに聞いた。

民事裁判手続きのIT化で、司法のDXは前進

――7月に参議院議員の任期を終え、再び経営の世界に戻ってきました。この数カ月間はどう過ごしていましたか。

完全に経営の現場を離れたのは、財務大臣政務官を拝命した1年間だけ(大臣規範によって兼職を禁止されている)。それ以外は代表取締役会長という立場で籍は置いていた。ただ、社長として経営の最前線に戻るのは、5年ぶりになる。

この5年間に会社は大きく成長した。売上高は毎年30%前後で伸びており、社員数も5年前は112人だったが、現在では400人弱にまで増えている。

会社の成長とともに、社員のワークスタイルも大きく変化した。コロナ禍でのリモートワークの普及もあって出社率は約20%だ。副業率や男性の育児休業取得率も大きく伸びている。

私がもう1つ代表を務める「Authense法律事務所」においても、リモートワークが大きく浸透した。所属する弁護士は、当社が提供するオンラインのライブラリーサービスである弁護士ドットコムライブラリーを活用し、自宅で気軽に文献や判例を調べながら仕事ができている。また、子育てとの両立のため、時短勤務を選択する女性弁護士も増えている。

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