運を味方にできる人と見放される人の決定的な差 「自分は成功する」と期待し集中力を発揮できるか

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運は自分で鍛えられる?(写真:zak/PIXTA)

成功している誰かに「すごいね」と伝えた結果、「いや、運がいいだけだよ」という答えが返ってくることがある。そんなときには咄嗟に、「いやいや、『運も実力のうちじゃん』」などと加えてみたりもする。

「運も実力のうち?」

なぜなら、嘘偽りなく「運も実力のうち」だと考えているからだ。それは間違いないのだが、しかし、そうでありながら、頭のどこかに「じゃあ、運ってなんなんだろう?」という純粋な疑問が浮かんできたりもする。

だから気がつけば、いろいろとモヤモヤしてしまうことにもなるのだ。

私のそんな個人的な出来事にさえ反映されているように、人は自分や知人の身に起きることを、無意識のうちに運と結びつけようとしてしまいがちなのではないだろうか。「運って、こういうものだ」とか、「運はきっと、こう作用するものなんだろう」というように。

だが、『運を味方にする 「偶然」の科学』(栗木さつき訳、東洋経済新報社)の著者、バーバラ・ブラッチュリー氏によれば、科学者の場合は話が違ってくるようだ。運について研究している科学者にとって、運とは因果関係に分類され、物事の結果が努力や能力に左右されないとき、その成否を説明する際に用いるものだというのである。

<私たちはひとつの出来事を評価する際、入手可能な情報をすべて分析して、その出来事の原因を理解しようとする。これまでの体験を参考にし(記憶に頼る)、五感で得た情報を引きだし(いまなにが起こっているのかを感覚器から教えてもらう)、夢や願望も参照し、なにが起こると予測していたのか、どんな出来事が起こってほしいと本心では願っていたのかをさぐるのだ。そして私たち科学者は、こうした動因に関するすべての情報を分析したうえで、なにが起こったのかを明確にし、その原因を見きわめようとする。>(10〜11ページより)
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