愛知で最も人口少ない村が「キャビア生産」挑む訳 広告は「チョウザメが、村の人口を超えました」

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愛知県豊根村の「ロイヤルキャビア」。ふるさと納税の返礼品としてキャビア1瓶(25グラム)とチョウザメのスライス(100グラム)のセットで5万円(写真:豊根村)
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愛知県北設楽郡豊根村。県北東部の奥三河と呼ばれるエリアにあり、長野県や静岡県に隣接する。標高が高く、涼しいので筆者はほぼ毎年避暑に行っている。茶臼山高原でのんびりと過ごしてから温泉に浸かって帰るというのが毎度のパターン。

何年か前に温泉施設へ行ったとき、フロントの近くある大きな水槽でチョウザメが泳いでいるのを見た(現在は撤去)。そこで初めて豊根村でチョウザメの養殖が行われていることを知った。

「チョウザメが、村の人口を超えました」

さらに、2017年の秋には白髪の男性が笑顔でチョウザメを抱えているポスターが登場。キャッチコピーは、「チョウザメが、村の人口を超えましたので、食べに来てください」。豊根村の人口は490世帯1135人。愛知県でもっとも人口が少ない自治体である。自虐的ともいえるこのポスターはSNSで注目を集めた。

今年4月、ふるさと納税の返礼品としてキャビアの取り扱いがはじまったというニュースを耳にした。キャビアは無理にしても、チョウザメを使った料理をどうしても食べてみたくなった。そして豊根村でキャビアが食べられる日が来るのかも確かめたい。そんなことを考えながら豊根村へと車を走らせた。

東名高速名古屋インターから猿投グリーンロードを経由して国道153号線、257号線をひたすら東へ。2時間少々で豊根村に到着した。車内の外気温計を見ると、26℃。名古屋よりも10℃近く涼しい。

まず、向かったのは、道の駅「豊根グリーンポート宮嶋」。ここの飲食施設「山のレストラン ふるさと」は、村に住むお母さんたちが立ち上げた合同会社が運営している。地元の特産品をふんだんに使ったメニューもあり、それらはすべてお母さん目線で独自に考案したものだ。

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