富を築く人と勤勉でも豊かになれない人の決定差 シリコンバレー伝説の成功者が説く幸運の仕組み

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貧富 格差
シリコンバレー伝説の成功者が「運に頼らずリッチになる方法」を説きます(写真:MaCC/PIXTA)
スタートアップ界では知らなければモグリといわれる、「AngelList」創業者のナヴァル・ラヴィカント氏。アメリカをスタートアップ大国へとのし上げ、法律まで変えた、シリコンバレーの生きる伝説とされる人物です。
「初めての仕事は15歳、違法ケータリング会社でのデリバリーだった」と語るほど貧しい移民だった彼が、いかにゼロから数々の成功を築き上げたのか? プロダクト・ストラテジスト、作家のエリック・ジョーゲンソン氏がナヴァル自身の言葉をまとめた『シリコンバレー最重要思想家ナヴァル・ラヴィカント』より一部抜粋、再編集してお届けします。

富とお金の違いは何か?

お金は富を人から人へ移すための手段だ。お金は社会への「貸し」だ。他人の時間を貸し借りする手段だ。

ある人がその人にしかできないことをやって、社会のために価値を生み出せば、社会はこう言う。「おお、ありがとう。君が過去にこれをやってくれたから、君に未来の借りができた。借用証書を受け取ってくれ。これをお金と名づけよう」

大事なのは、富だ。富とは、人が寝ている間も稼いでくれる資産だ。モノを量産する工場やロボットは、富だ。夜間に稼働して顧客にサービスを提供するコンピュータプログラムは、富だ。他の資産や他の企業に再投資される銀行預金も、富だ。つまり、私のいう「富」とは、寝ている間も稼いでくれる事業や資産の意味に近い。

覚えてほしいのは、テクノロジーは消費を民主化する一方、生産を集約化するということ。何かを世界一うまくやれる人が、その生産を一手に引き受ける。

家や職場、それに街にあるほとんどのものは、かつてある時期に「テクノロジー」だった。かつて石油は、J・D・ロックフェラーを富豪にしたテクノロジーだった。かつて自動車は、ヘンリー・フォードを富豪にしたテクノロジーだった。

つまりテクノロジーとは、「まだ完全に機能していないもの」なんだ。いったん機能するようになれば、もうそれはテクノロジーではなくなる。

次ページ「社会が求めているが手に入れる方法がわからない」という金脈
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