出川哲朗が「プロフェッショナル」に選ばれた必然 なぜこれほど愛される人気者になりえたのか

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出川哲朗さんの深い発言とは?(写真:アフロ)

7月27日夜、「プロフェッショナル仕事の流儀」(NHK)に出川哲朗さんが出演し、その発言の深さがネット上の話題を呼んでいます。

同番組は超一流のプロフェッショナルに密着し、その仕事を徹底的に掘り下げるドキュメンタリー。今春に週1のレギュラー放送から月1回の不定期放送に変わり、ますます本当のトップしか出演できない番組になっただけに、出川さんが特別な存在である様子がうかがえます。

また、もう1つネット上でひそかに話題を集めているのが、TVerの独自コンテンツ「神回だけ見せます!」で配信されている「アナザースカイ」の出川哲朗出演回。その内容がここでも「深い」と言われているのですが、実際に出川さんはどんな発言をしているのでしょうか。

「芸人の話なんて」と侮ることなかれ。東洋経済オンラインを読んでいるビジネスパーソンにとっても、参考になる深い発言ばかりだったのです。

売れても自作のネタはやらない

「プロフェッショナル」のテーマは、20年前は歩いているだけでモノを投げられるほど嫌われていた出川哲朗さんが、なぜこれほど愛される人気者になりえたのか。つまり、視聴者にとっては苦しい立場からトップに上り詰める方法のヒントを得られる構成ということでしょう。

同番組における出川さんの肩書は、「リアクション芸人」。これは番組が決めたものではなく、「実は僕、芸人ではないですね。やっぱ芸人さんって本来は舞台に立って漫才・コントやって、客前で舞台に立っている人が芸人さんだと思うので。芸人さんとは言えないし、リアクション芸人としか言えないですね」という出川さん自身の意思によるものでした。

昔も今も、嫌われているときも愛されているときも、自分はリアクション芸人。成功を収めても安易に自分を拡大解釈せず、勝負できる道を外れずに歩み続けている様子が伝わってきます。たとえば「人気も好感度もある今なら自作のネタもウケるのではないか」と色気を出すことはなく、それよりも全力でリアクション芸に挑み続けることを選ぶ潔い姿勢が結果につながっているのではないでしょうか。

そんな姿勢はバラエティで求められる事前アンケートにも表れていました。出川さんの「アンケートにめちゃめちゃ時間かけますね。書いて採用されないとどうしようもないので常に考えていますよ。もらった時点から締め切りまで移動中だろうが何だろうが」というコメントから、自分がやれる範囲の準備をやり切るという姿勢がうかがえます。

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