平成を彩った「iPod」販売終了が惜しまれ続ける訳 革新的だった「シルエットのCM」も話題になる

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iPodの販売終了が発表された(写真:ロイター/アフロ)

「音楽は生き続けます。」

2022年5月10日、このタイトルの先につづられていたのは、AppleからのiPodシリーズの製造・販売終了の知らせだった。

2001年10月23日にミレニアムの時代を彩るようにして発売された初代iPod。それから時代とともに進化し続け、ちょうど20周年というアニバーサリーも過ぎた矢先の出来事だった。

このニュースには、世代によってさまざまな意見が飛び交った。今から約20年前というとiPodに懐かしさを感じる世代もいれば、物心ついたころからすでにiPhoneで音楽を聴いていた人もいるだろう。iPodの販売終了という事実に対して思い入れは違うかもしれない。だが発表から2カ月経った今でも、SNS上では販売終了を惜しむ声が広がっている。

シルエットのCMが登場

2001年の登場からさまざまな進化を遂げたiPodシリーズだが、「iPod」というと何が一番記憶に残っているだろうか。

iPodの初代の登場からiPodを見続けた筆者だが、意外にもiPodでいちばん記憶に残っていたのは自分がかつて使用していた第1世代のiPod nanoでも、第3世代のiPod touchでもなく、「シルエットのあのCM」だった。

iPodのシルエットシリーズのCMは、2003年に放映が開始された。ビビッドカラーの背景にキレッキレのダンスを踊る黒のシルエットと、白く切り抜かれたiPod。CM上にはキャッチコピーはなく、「Mac or PC」もしくは「iPod + iTunes」の文字だけだ。最低限の情報の中に、iPodの持つ機能性と可能性が的確に詰め込まれている。

シルエットCMの1シーン(©Apple)

このCMは世間でも大きな反響を呼び、シルエットをアニメパロディにした二次創作まで作られた。今でいうと、TikTokのように本家を基に何か創作したくなるような話題性があったのだ。

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