17歳高校生DJが語る「ブックオフ」再評価の必然 110円棚は今や少ない「アルゴリズムの外側」だ

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ブックオフ
17歳の現役高校生DJであるtelematic visions氏は、ブックオフの魅力を「常にアルゴリズムが働き、おすすめの商品が出る今の社会で、ブックオフだけはおすすめしてこない」「だからこそ予想外の出会いがある」ことだと語ります(写真:著者撮影)
古本屋チェーンとして一世を風靡し、現在ではCDやDVD、家電やブランド品なども扱う総合リユース店として知られるブックオフ。創業当初は「出版文化を破壊する」存在として、業界内外から批判されることも多かったが、はたしてそれは本当だったのか。本連載ではそんな疑問を土台に、10~30代の若者の目線から、ブックオフという存在を再考していく。
「ブックオフ育ち」を公言する28歳の書評家・三宅香帆氏と、24歳の筆者・谷頭和希氏の対談となった前回に続く今回は、17歳の若きDJ、telematic visions(テレマティク・ビジョンズ)氏にインタビュー。DJ・トラックメイカーとして活躍する現役高校生の彼は、ブックオフで出会った作品に大きな影響を受けて音楽を作っているという。

ブックオフに通い詰めた幼少時代

谷頭:Telematic Visions(以下、テレマビ)さんは、過去のインタビューでもブックオフからの影響を公言されていますよね。そもそもブックオフに行き始めたのはいつ頃からですか?

テレマビ:小さい頃から親とちょくちょく行ってましたね。

谷頭:最初はご両親に連れられて行ってたんですね。

テレマビ:そうなんです。僕の家庭が転勤族だったので、青森で生まれて東京に行って、大阪・北海道と転勤して、最終的にまた東京に戻ってきたっていう。北海道にいた頃は、札幌麻生駅前店によく行っていました。母親は村上春樹、父親はギターマガジンや村上龍を読んでいるのを見たことがあります。

谷頭:ブックオフ自体は全国どこにでもあるから、すぐに馴染めますよね。ひとりで足を運ぶようになったのはいつ頃からですか?

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