年齢が高い男性ほど自己肯定感が低い納得の訳 一方で自己に対する評価が高いのは中高年女性

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年齢とともに自己肯定感が下がる男性と、上がる女性。その違いは?(写真:PanKR/PIXTA)
自分の価値を認め、存在を肯定する感覚を「自己肯定感」と呼びます。人生を前向きに幸福に生きるには、自己肯定感がカギを握るのは確かでしょう。
しかし、この自己肯定感が低いばかりに、本来ならもっと前向きに生きることができるはずなのに、つまらないところでつまづき、落ち込んでしまう人が少なくないと言われています。
「それは大変もったいないことです」と言うのは、脳内科医の加藤俊徳氏です。加藤氏自身、若い頃は自己肯定どころか、自分を否定する気持ちが強い人間だったとか。それが変わったのは、「脳のおかげ」と同氏は言います。
「自己肯定感が低い人は、自分はダメだ、能力が低い、といういわば“脳の回路”ができあがっています。それに気づき、意識的に考え方や行動を変えたことで、脳の回路が変わり、自分を肯定できるようになったのです」
自己肯定感が高まる考え方や習慣とは?加藤氏の新刊『脳の名医が教えるすごい自己肯定感』をもとに3回にわたり解説します(1回目)。

私のクリニックに来る人も含めて、自己肯定感の低さに悩む多くの人が、「自己認知」が弱いということが挙げられます。自己認知とは、ありのままの自分を認識し、受け止めることです。

この自己認知が弱いと、本来はその人の特性であり、個性であるものでさえもマイナスとして捉えてしまいます。たとえ、ほかの能力は人並み、あるいは人以上であるのに、マイナス部分にだけ引っ張られて全体の自己評価をどんどん下げてしまう……。その結果、必要以上に自信を喪失し、能力を開花させることができていないのです。

女性のほうが自己肯定感が高い理由

医師として多くの人を診るなかで、気がついたことがあります。自己認知に関して、男女で大きな違いがあるのです。結論から言うと、男性は女性に比べて自己認知力が弱い。というか、自己に関して女性ほど関心がないように感じるのです。それはなぜでしょうか?

おそらくですが、男性と女性の社会的な立場や環境の違いが大きいと考えます。男性はそもそも、初めから社会に出て仕事をすることが大前提です。仕事をして収入を得て、それで家計を成り立たせます。

自分の力や能力、評価は、社会の中での自分の肩書や地位、収入によって明確に評価されます。自分の価値は、それらの社会的な尺度である意味ハッキリと示されているのです。

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