がんで200万円も「ペットの医療」高額化の現実 ペット医療も専門化、細分化、高度化している

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ペットも高齢化にともなってがんなどさまざまな高度医療が必要な病気になるようになっている。突然の高額医療費に飼い主が驚かないためにできることはあるか(写真:アオサン/PIXTA)

コロナ禍を経てペットの重要性がより高まっています。ペットは家族の一員だと考える人が増えてきているのです。

そのため、愛犬や愛猫が健康で健やかに長生きしてくれることが飼い主の願いになっています。そんな期待に応えようと、動物病院は進化しています。例えば、専門性への特化が進み、皮膚科、眼科、脳神経外科、心臓外科などの2次診療を主にするところができたり、猫、鳥だけというように動物の種類を限定しているところもあります。

専門化、細分化で医療費も高騰傾向

飼い主は、ニーズに合わせて、専門化、細分化している動物病院を探せばいいのですが、飼い主の課題になってくる1つが動物の医療費です。日本の人間の場合は、医療制度があり医療保険に入っているので、それほど高額医療にならないことが多いです。

その一方で、ペットの医療費は、民間の保険会社はありますが、人間のようにはなかなかいかないのが現実です。

獣医療で専門性が進む中、その医療費も高額になることがあります。愛犬や愛猫が病気になったときに、「100万円以上もいるの?」とびっくりされないために、今回はどのような病気でどれくらいの医療費がかかるのかを具体的に見ていきましょう。

猫伝染性腹膜炎(FIP)

クラウドファンディングで、よく目にする病気が、猫伝染性腹膜炎(FIP)です。FIPとは、猫で特に子猫(多くは1歳未満の子)がなりやすく、命に関わる重篤な病気です。症状は、発熱、沈うつ、食欲不振、黄疸、腹水でおなかがふくれるなどの症状が起こります。進行が速いと診断後1カ月以内で亡くなることもあります。原因は、「猫腸コロナウイルス」が変異を起こして強毒化した「猫伝染性腹膜炎ウイルス」です。

この病気の問題点は、治療法が確立されていないことです。可愛かった猫が、急に食べなくなり体を動かすのもやっとになり、だんだんと腹水がたまってきてしんどそうで、治療に行くと血液検査などからFIPと言われて、あっという間に命の危険に陥ることが多いです。

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