値上げの嵐「食パン」の価格は実際何円上がったか 6000店舗の情報から値上げの「実態」を大解剖

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値上げの嵐が起きていますが、店頭価格は実際のところどのように推移しているのでしょうか(写真:IYO / PIXTA)

原材料価格や物流費の高騰を受け、食品・サービスなど幅広い分野で値上げの動きが広がっています。

外国為替市場では約20年ぶりの円安水準となり、円安が家計をさらに圧迫する可能性も色濃くなってきました。輸入品の価格上昇によって、食品や雑貨をはじめとした生活必需品の一層の値上がりが懸念されているからです。

大手スーパーのイオンや西友は、自社のプライベート・ブランド(PB)の食料品や日用品の値上げを6月30日まではしないと宣言。値上げトレンドになんとか抗いたいという思いが読み取れますが、いずれも我慢比べとなりそうです。

実際に、店頭の販売価格はどのように変化しているのでしょうか。全国のスーパー、コンビニ、ドラッグストアなど、約6000店舗の販売動向を追っている「インテージSRI+」からデータで見ていきましょう。

キャノーラ油は151%の値上がり

激しい値上げが起きていたのは、食用油関連の商品です。2021年に大手メーカー各社が4度の値上げを行ったこともあり、【図表1】をみると昨年6月以降の店頭販売価格は大幅な値上がりが続いていることがわかります(赤文字部分)。キャノーラ油は中でも値上がり幅が大きくなっており、昨秋からは前年同月比で120%以上、今年3月には同151%まで急騰しています。

サラダ油も昨年9月~12月は前年同月比120%以上になり、足元でも高止まりの状態が続いています。原材料に油を多く使用しているマヨネーズは値上がりが認められた昨年7月からさらに10%ほど、マーガリンも昨年10月から5%以上高い状態が続いており、食用油高騰の影響が強く反映された状況になっています。

(外部配信先ではグラフや図などの画像を全部閲覧できないことがあります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

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