43日間マグロ漁船に乗った男が悟った「4つの真理」 "極限状態"を乗り切る知恵がそこにはあった

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マグロ漁船で人生を変える経験をした齊藤正明さんが学んだこととは?(写真:齊藤さん提供)
仕事で華々しく活躍していた人があるとき、メンタルダウンして職場を去っていく。または、苦労が予測された職場に、実は最高の人間関係が待っていた。
私たちは仕事における孤独やストレス、コミュニケーションとどう向き合うべきか。激務と言われる場所でも工夫やポイントはあるのか。過去に厳しい体験をしてきた人に、心のあり方や試練の乗り越え方について聞きます。

ある日突然、マグロ漁船へ

今回登場いただくのは、元民間企業の研究所で勤務していた齊藤正明さん(40代)。現在は、独立してコンサルタント会社で働いている。

その齊藤さんは今から約20年前、人生を変える体験した。ある日突然、上司から「マグロ漁船に乗って、マグロのすべてを見てこい!」と厳命されたのだ。

「マグロの鮮度保持剤の開発を一気に進めるため」という業務上の理由だったが、なんと台風シーズン真っただ中にマグロ漁船に乗ることになってしまった。

マグロ漁船と言えば、借金など金銭的に窮地に追い込まれた人が、最終手段として挑む場所といったイメージを抱く人も多いのではないか。荒波にもまれ、危険で過酷な作業を強いられ、激しい怒号が飛び交う中で、肉体的にも精神的にも追いつめられる――。

齊藤さんも当時、そんなネガティブな印象を持っていた1人だ。緊張と不安を抱えながら、大分から赤道まで片道10日ちょっと、計43日間の航海に出た。しかし、長期間の航海を終えて陸に戻ってくると考えが一転。また乗りたい、漁師になりたい!というほど心境の変化があった。

次ページそこには船員1人ひとりが活き活きと働ける仕組みがあった
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