中古価格が7倍以上に高騰、空冷ポルシェ人気の訳 4000万円以上の値段もつく、その理由を探る

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4600万円というプライスがついたウインズオートの992年式 911カレラRS(筆者撮影)
4600万円というプライスがついたウインズオートの1992年式 911カレラRS(筆者撮影)

ドイツが誇る高性能スポーツカーの代名詞といえる「ポルシェ・911」。1963年に初代901型が登場して以来、後継機種が現在も販売されているロングセラーモデルで、世界中のスポーツカー愛好家に長年大きな支持を受けている。そんな911のクラシックカーが今人気だ。とくに1997年まで製造された空冷エンジン搭載車、通称「空冷ポルシェ」は、中古車価格が上昇しており、状態が良く貴重な車体には4000万円以上の値段もつくという。

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クラシックカーの展示会「オートモビル カウンシル 2022(2022年4月15~17日・幕張メッセ)」にも、現在人気が急上昇中の空冷ポルシェが展示されていた。なかでも名古屋を拠点とするクラシック・ポルシェ専門店「ウインズオート」のブースには、初代と3代目の911が計4台並べられ、いずれも価格は1000万円以上。なかには4600万円もの高値がついたモデルもあった。ここでは、ウインズオートに聞いた空冷ポルシェの魅力や人気が高い理由などについて紹介する。

空冷ポルシェの歴史

ウインズオートが展示していた1972年式の初代911(筆者撮影)
ウインズオートが展示していた初代にあたる1972年式の911S(筆者撮影)

空冷ポルシェとは、911の中でも、初代モデルから4代目までの空冷エンジン搭載モデルを意味する通称だ。911は、1948年から続いたスポーツモデル「356」の後継で、ポルシェのフラッグシップとして1963年に誕生した(生産は1964年から)。初代は、丸目2灯ヘッドライトを持つ個性的なフェイスデザインやリアにかけて流れるようなフォルムなど、911の独特なデザインを生んだ原型ともいえるモデルだ。

911Sのリヤビュー。価格は2800万円(筆者撮影)
911Sのリアビュー。価格は2800万円(筆者撮影)

また、水平対向6気筒エンジンをはじめ、パワートレインを車体後方に配置し後輪で駆動するRR方式など、今のモデルにも通じる911の基本構成も生み出した。なお、愛好家の間で初代は、「ナロー」の愛称で親しまれている。これは911シリーズが進化とともにリアを中心に車幅が大きくなっていったことに対し、初代の幅が狭いモデルに付けられた愛称だといわれている。

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