日本とフランス「セクシー広告」の扱いは全然違う 公共空間で露出過剰な女性をさらすのはありか

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くみの質問の答えのカギとなるのは、冒頭の「未成年者が閲覧できる状況のもと」だ。つまり、ほぼすべての公共空間、テレビ、インターネットなどが含まれることとなる。

そういうわけで、フランスではニューヨークのタクシーの例のような広告が見られないというわけだ。同じ理由で街中の売店などでは、ポルノ的要素のある雑誌などは棚の高い位置に目立たないように陳列されていることが多い。

裸の女性の広告を禁じているわけではない

エマニュエル : 何年か前に、鉄道会社のタリスがパリとブリュッセルとアムステルダムをつなぐ線の広告を、地下鉄構内など公共空間の至る所に出したのだが、その広告内にレッドライト地区という売春地区を彷彿とさせる写真が使われていた。

ポルノ的な写真は一切使われていなかったが、フェミニスト団体がこの広告がフランスでは禁止されている売春を目的とする旅行の広告であると指摘したことがあった。

刑法典には女性の裸が公共空間において広告などで使用されることを禁止するとは明白に書かれているわけではない。だが、「ポルノ的要素」や「人間の損害を著しく損害するもの」と判断されることのないように注意する必要がある。

くみ : そこまで法が整備されているんだね!ちなみにオランダで合法の買春をフランス人が行ったことが知れたらフランスで罰せられるの?

あと、公共空間における性描写の規制について、オンラインの広告などでも一緒ということだよね?日本のサイトだと普通のサイトなのに自動的に出てくる広告がたまにポルノ漫画ということがある。例えばレシピを調べたくてレシピ専門ページを開いただけなのに必ず目に入るところにそういう広告が出てきたりする。本当に嫌な気分になって気持ち悪くてサイトを閉じてしまう。

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