岸田首相、EU大統領へ「強力な対ロシア制裁実施」 定期首脳協議を3年ぶりに対面で開催

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岸田首相は12日午前、欧州連合(EU)のシャルル・ミシェル欧州理事会常任議長(EU大統領)、欧州委員会のウルズラ・フォンデアライエン委員長と首相官邸で定期首脳協議を行った。協議では、ロシアによるウクライナ侵攻に対し、連携して対応することを確認した。「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、さらに協力する方針でも一致した。

会談前にミシェル欧州理事会常任議長(左)、フォンデアライエン欧州委員長(右)と記念撮影に臨む岸田首相(12日午前、首相官邸で)=源幸正倫撮影

定期首脳協議は原則として年1回開かれており、今回で28回目。昨年はオンラインで実施しており、対面での開催は3年ぶりとなる。

首相は協議の冒頭、「ロシアのウクライナ侵略は、国際秩序の根幹を揺るがすものだ」と強く非難したうえで、「日本とEUは強力な対露制裁を実施しており、断固とした決意で対応していく」と語った。

これに対し、ミシェル氏は「(日EUは)自由、民主主義、ルールに基づいた国際秩序の価値を共有している。協力を強化していきたい」と応じた。日本が実施している対露制裁やウクライナ支援への謝意も伝えた。

EUは昨年9月、中国を念頭に「インド太平洋戦略」を発表し、インド太平洋地域への関与を強める方針を打ち出している。中国が東・南シナ海で海洋進出を進めることへの懸念が広がっているためだ。日本政府は、自由で開かれたインド太平洋の実現に向け、海上自衛隊とEU海上部隊の共同訓練など安全保障分野を含むEUとの具体的な協力を進展させたい考えだ。

 フォンデアライエン氏は協議で、「プーチン露大統領と中国の 習近平(シージンピン) 国家主席が無制限の友情を確認しており、国際秩序への挑戦と受け止めなければならない」と中露の連携に警戒感を示した。

今回の協議では、経済安全保障やエネルギー、環境、デジタルなどの各分野での協力強化も確認した。

協議後の昼食会では、核・ミサイル開発を進める北朝鮮への対応などについても意見交換する見込みだ。このほか、首相は、EU側に対し、日本産食品の輸入規制の早期撤廃も求める見通しだ。

ミシェル氏は13日に被爆地の広島市を訪れ、平和記念資料館の視察などを予定している。首相は協議後の共同記者発表で、「核兵器のない世界という大きな理想に向け、EUとも協力していきたい」と強調した。

 ◆ 日EU定期首脳協議や昼食会での主なテーマ

▽ロシアによる侵攻が続くウクライナ情勢

▽「自由で開かれたインド太平洋」実現に向けた連携

▽北朝鮮の核・ミサイル開発への対応

▽経済安全保障やエネルギー分野での協力

▽EUによる日本産食品の輸入規制の早期撤廃

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