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最大手ヤマトが見据える「物流2024年問題」の焦点 ヤマトホールディングスの長尾裕社長に聞く

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ドライバーに残業規制が適用される「2024年問題」で影響を受けるのは中小・零細企業だけではない。宅配便首位のヤマトホールディングスはどう対応するのか。

ヤマトホールディングスの長尾裕社長は「過重労働を防ぐ仕組みが不可欠だ」と指摘する(撮影:尾形文繁)

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過重労働が放置されてきたトラックドライバー。物流業界は2年後に残業規制の適用が待ち構えており、働き方改革は待ったなしだ。
デジタル特集「崖っぷちの物流」(全7回)では、過酷なドライバーの働き方や、物流会社、荷主の対応などについて焦点を当てた。第2回は、最大手ヤマトが見据える「物流2024年問題」の焦点。

第1回:限界寸前、疲弊するドライバーたちの悲惨な証言
第3回:置き配で「罰金5万円」、ドライバー搾取の深刻問題
第4回:物流業界の「下請け構造」はDXで打破できるか
第5回:身売り・廃業に悩む「下請け運送業者たち」の悲鳴
第6回:30分以内にお届け「爆速クイックコマース」の衝撃
第7回:アスクル、ローソンが始める「配送現場」の大改革

――業界では、「残業規制によって物が運べなくなる」と懸念する声も上がっています。

正しい危機感を持ち、正しく理解することが大事だ。業界各社もまったく対応してこなかったわけではない。数年前より現場業務の効率化も進んでいるので、2024年に突然運べなくなることはない。ただし、簡単ではないと思っている。

残業規制が2024年まで猶予されているのは、実態として労働時間が非常に長いということ。それ(長時間労働)を前提に給料も設計されている。

業界の構造をどう変えていくか

そこを定められた労働時間内に徐々に収めていく、というのが業界の共通認識だ。2024年に向けた問題というだけでなく、根本的には、業界の構造をどう変えていくかという問題だと思っている。

とくに大型トラックのドライバーが高齢化しているのは事実。業界に働き手が入ってくるためにも、スピードを上げて取り組まなければならない。

――規制適用により、ヤマトでは具体的にどんな影響がありますか。

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