45歳以上「高学歴男性」が持っていない3つのモノ データでわかった中高年男性特有の生きづらさ

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45歳以上の男性を対象としたアンケートではメディアで報じられている「働かないおじさん」とは別の中高年男性像が見えてきた(写真:ABC/PIXTA)
近年、中高年男性の働き方について「働かないおじさん問題」などとメディアで取り上げられることは少なくありません。しかし、高学歴の中高年男性を対象としたアンケートから浮かび上がってきたのは、メディアで報じられているのとは違う中高年男性の姿でした。
本稿では高学歴中高年男性の働き方の実態や課題について、日本総合研究所・小島明子氏の新著『中高年男性の働き方の未来』から一部抜粋、再構成しお届けします。

中高年男性を囲む労働環境の変化

2021年4月に、改正高年者雇用安定法が施行され、従業員に対する70歳までの雇用確保措置が努力義務となった。一部の大企業では、同法の施行前に、新陳代謝などを理由に、ミドル・シニア層を対象とした早期退職者の募集を行っており、今後も人員の再編が続くことが予想される。 

加えて、コロナ禍以降は、大企業を中心に、テレワークの浸透や、ジョブ型雇用へ移行する企業が増え、働く時間の長さではなく、個人の成果で評価する傾向が一層強くなっている。年功序列型で働いてきたミドル・シニア人材にとっては、今後の働き方が問われる時代ともいえる。

なかでも、中高年層の正社員、および管理職層の多くは男性であり、このような状況に現在直面している多くは中高年男性だと推察される。

2019年、日本総合研究所では、民間企業かつ東京都内のオフィスに勤務し、東京圏に所在する4年制の大学、あるいは大学院を卒業した中高年男性45~64歳に焦点を当て、意識と生活実態に関するアンケート調査を実施した。

一般に、就業継続にあたっては、仕事に対する本人の考え方が影響すると考えられる。具体的には「働くことによって得られる便益」と「働くことに伴う費用」を天秤にかけ、便益が費用を上回れば就業を行うという意思決定が下されると考えられる。ただし、便益、費用ともその考え方は個人によって異なる主観的なものである。

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