限界?再起は?「小泉父子」存在感が急低下する訳 純一郎氏は一線から退き、進次郎氏は再び下積み

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政界での存在感が薄れる小泉純一郎氏(左)と進次郎氏(右)(写真:尾形文繁)

芸能界風に言えば「一世を風靡」し続けた“政界親子鷹”、小泉純一郎元首相と進次郎総務会長代理の存在感がここにきて急低下している。父・純一郎氏は表舞台の活動停止を宣言、息子・進次郎氏も「近未来の総理総裁」の呼び声がほとんどなくなったからだ。

純一郎氏はこのほど、政界引退後の2013年から公式、非公式を問わずにさまざまな場で訴え続けてきた「原発ゼロ」活動の中止を宣言。1月に80歳となったことを理由とするが、ウクライナ危機などで国民の間でも「原発再稼働」を求める声が高まっていることが背景にあるとみられている。

寂しさが際立つ進次郎氏の現在地

一方、進次郎氏は2019年秋の第4次安倍第2次改造内閣での環境相就任後に相次いだ意味不明な言動などで「自民党のスーパースター」の座を失った。政界デビュー以来独走を続けてきた各種世論調査での「首相にしたい政治家ナンバーワン」からも滑り落ち、再起に向けた下積み生活を余儀なくされている。

小泉親子は政界でも数少ない4代にわたる政治家一家の3・4代目。「自民党をぶっ壊す」と叫んで首相の座を奪取、国民的人気で5年半の長期政権を築いた父と、その威光も存分に活用して、「自民の救世主」として特別扱いされてきた息子の現在地には寂しさが際立つ。

親子に共通するのは明快な弁舌で大衆を扇動するトリックスターの資質。いわゆるポピュリストとしての卓抜なアピール術の限界を露呈した結果ともみえるが、政権復帰から10年で目立ち始めた自民党の傲慢さへの国民的反発が高まれば、再登場のチャンスが巡ってくる可能性はある。

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