本読みの達人が推薦!いま読むべきビジネス書10 分厚いビジネス書を読むことで思考力を鍛える

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ビジネスパーソンの糧になるビジネス書とは (写真:Getty Images)

先が読めない時代になり、さまざまな情報がメディアを介して目まぐるしく飛び交っていく。世界の情勢でさえ、テレビや新聞がリアルタイムで伝え、専門家たちがソーシャルメディアを介してすぐに解説していく。

読むのに時間がかかる分、思考力を鍛えられる

そんな中、分厚いビジネス書を読む意味は、情報を選別して、正しく理解し、次に打つ手を発想する力を育むことにある。

4月25日発売の『週刊東洋経済』4月30日・5月7日合併号では「世界激震!先を知るための読書案内」を特集。地政学、経済、ビジネス、教養など今読むべき本を、識者が紹介している。

ビジネス書は内容が精査され、読むのに時間がかかる分、思考力を鍛え、脳の力を高めてくれる。そんな観点から「いま読むべき10冊のビジネス書」を選別してみた。

情報を正しく読み解くには、データや事実に基づいて考える習慣が不可欠だ。しかし、賢い人ほど思い込みに惑わされるという。思い込みから解放され、世界の姿を正しく知る方法を説くのが『FACTFULNESS』(ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロンランド 著)だ。

教育、貧困、環境、エネルギー、人口など幅広い分野について、最新の統計データを示しながら、読み解き方を紹介する。難しい数式は出てこないため、軽快に読めて直感的に理解できる。

『週刊東洋経済』4月30日・5月7日合併号(4月25日発売)の特集は「世界激震!先を知るための読書案内」です。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら

ビジネスでは問題解決が不可欠だが、数学的手続きに従えばそれが機械的にできる。『アルゴリズム思考術』(ブライアン・クリスチャン、トム・グリフィス著)は、難題を切り抜け、日々の作業や仕事が楽になる方法を教える。

応用範囲は広く、ビジネス上の課題にとどまらない。「車をどの駐車スペースに止めるべきか」「何人目の交際相手で結婚すべきか」など、日常的な問題も解決できる手法が手に入る。

混沌とする環境下では、本当に重要なことを見極め、確実に実行する力が不可欠だ。その方法を教えるのが『エッセンシャル思考』(グレッグ・マキューン著)。

アップル、グーグル、フェイスブック、ツイッターのアドバイザーを務める著者が「より少なく、しかしよりよく」を目指し、99%の無駄を捨て、1%に集中する方法を説く。

多様性が重要なテーマだが、それは経済分野でも同じだ。『多様性の科学』(マシュー・サイド著)は、経済を繁栄させるために多様性をどう生かすべきかを語る。

革命的な組織や社会が革新的なのは、才能や知識、スキルがあるからではなく、致命的失敗を未然に発見し、生産性を高めることができるからだ。その秘訣を解説する。

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