リアス式海岸走る「コミュニティバス」の利便性 スーパーを交通拠点として活用・釜石市南部編

✎ 1〜 ✎ 11 ✎ 12 ✎ 13 ✎ 最新
拡大
縮小
スーパーの敷地内にある上平田バス停に到着した岩手県交通の上大畑行き(筆者撮影)
この記事の画像を見る(7枚)

三陸鉄道の下り列車は吉浜を出ると3906mの鍬台トンネルに入り、大船渡市と釜石市の市境を越える。

2011年3月11日の東日本大震災発生時、盛発釜石行きの列車がこのトンネル内を走行していたが、先の荒川地区で橋梁が津波で崩落しており、無線連絡により緊急停車。間一髪のところで転落の危機を免れた。今ではどうと言うこともなく、もう1本、トンネルを抜けると、釜石市の唐丹駅に着く。リアス式海岸は行政区域が変わっても変わらない。

海辺へ延びるバスの路線

愛用している、岩手県バス協会が作成した「岩手県バス路線図」を見ると、このエリアにもコミュニティバスの路線網があることがわかる。南から大石、花露辺(けろべ)、佐須といった海辺へ線が延びているので、順に訪ねたい。ただやはり、バスのダイヤは、これらの集落から釜石市中心部へ出かけるのに便利にできている。それは当たり前で、プランニングには少々頭の体操が必要だった。

この連載の記事一覧はこちら

1月24日の朝、大船渡市のホテルを出て、盛8時03分発の三陸鉄道久慈行きに乗っていたが、花露辺を経由し、いちばん南の大石へ向かう釜石市南部コミュニティバスは上平田12時55分発、そして唐丹駅前を13時29分に通る便が〝始発〟だ。これに乗って折り返してくるより他にない。ただ、その前に上平田9時発の、なぜか名称が違う「にこにこバス」佐須行きがあり、これで往復してきても、大石行きに十分間に合う。ここでも順序をひっくり返すことにした。

次ページバス系統を幹線と支線に再編
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT