山本太郎氏「参院鞍替え」実は与党が戦々恐々な訳 出馬選挙区明かさず、各党の選挙戦略は混乱必至

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衆院議員の辞職を表明したれいわ新撰組の山本太郎代表(左)と繰り上げ当選する見込みの櫛渕万里氏(右)(写真:つのだよしお/アフロ)

れいわ新選組の山本太郎代表(47)が4月15日、衆院議員辞職と参院選出馬を突然表明し、政界に複雑な波紋を広げた。当選が見込める比例代表ではなく、「選挙区に殴り込んで議席をもぎ取る」と言い放ったからだ。

出馬する選挙区を「今は言わない。指定席が決まっているところを崩しに行く」とすごみを利かせた山本氏。1人でれいわを国政政党にした知名度抜群の山本氏の挑戦で、狙われた選挙区の各党候補は、予想もしなかった防戦を強いられることになる。

今回の山本氏の行動に、与野党は「注目されなくなったから辞職しただけ」(自民)、「衆院の軽視で、党勢拡大のための党利党略」(国民民主)などと批判。その一方で、山本氏がターゲットとする自民、公明両党や日本維新の会などは「おびえと疑心暗鬼」も隠せず、各党の選挙戦略が混乱するのは間違いなさそうだ。

「がんばれ太郎」「選挙をなめるな」ネット上は賛否

山本氏は4月15日午前、自身のツイッターで、衆院議員を辞職する考えを表明し、同日昼に衆院に辞表を提出したあと、国会内で記者会見。その中で、夏の参院選に鞍替え出馬するため辞職することを明らかにした。

今回の鞍替えについては「現状では参院選で与党が勝って、その後3年間は国政選挙がなく、政治が暴走するのでそれを阻止したい」と説明。岸田文雄政権や、維新や国民民主の与党接近を厳しく批判するとともに、立憲民主など主要野党の無力さも指摘した。

さらに、「選挙区から立候補する」と明言したが、具体的な対象選挙区は明かさず、複数区を念頭に調整を進める考えを示唆した。 

午後2時から始まった会見は、れいわのインターネット番組が生中継。会見時間は1時間半を超え、視聴者は最大1万5000人を超える活況を呈した。中継中は画面内の投稿欄に「がんばれ太郎」「選挙をなめるな」など賛否が分かれる書き込みが殺到し、ネット上の注目度の高さも際立った。

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