テレビが低視聴率でもドラマ枠を急に増やした訳 ついに動きはじめたテレビ業界の変心と危うさ

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「育てながら勝つ」難しい戦いも強いられています(写真:シンボリック 、Ystudio、yama1221、sassa626、JOB DESIGN/PIXTA)

4月半ばに入って、綾瀬はるかさん主演作「元彼の遺言状」(フジテレビ系)、木村拓哉さん主演作「未来への10カウント」(テレビ朝日系)、高橋一生さん主演作「インビジブル」(TBS系)、二宮和也さん主演作「マイファミリー」(TBS系)など、春ドラマの第1話が次々に放送され、ネット上をにぎわせています。

ただ、業界内で話題を集めているのは、それらの局を挙げた力作だけではありません。今春は、TBS、フジテレビ、テレビ東京、NHKなどの各局がドラマ枠を増設し、それぞれ「どんな狙いの作品で、どんな結果が出るのか」が注目されているのです。

まずフジテレビは水曜22時台にドラマ枠を新設し、第1弾の間宮祥太朗さん主演作「ナンバMG5」を放送。次にTBSは火曜24時58分からの深夜ドラマ枠「ドラマストリーム」を新設し、第1弾の髙橋ひかるさん主演作「村井の恋」が放送されています。

さらにテレビ東京は火曜24時30分にドラマ枠を新設。第1弾の山崎紘菜さんと北乃きいさん主演作「汝の名」が放送されていますが、これで同局の深夜ドラマは計8枠になります。さらに驚かされたのは日曜11時台にもドラマ枠を新設したこと。日曜の昼前という時間帯も、2クールにわたる放送期間も異例ですが、第1弾の大竹一樹さん主演作「よだれもん家族」が放送されています。

NHKは「夜ドラ」を新設

NHKは月曜から木曜の22時45分に帯ドラマ枠「夜ドラ」を新設しました。これは月曜の同時刻から30分枠で放送されていた「よるドラ」を発展させたもので、1週15分×4話のため、実質的に2倍相当の拡大。第1弾の井上祐貴さん主演作「卒業タイムリミット」が放送されています。

また、地上波に限らずBSでも動きがあり、BS―TBSが木曜23時台にドラマ枠を新設し、第1弾の「シェアするラ!インスタントラーメンアレンジ部はじめました。」を放送中。今春に開局したばかりのBS松竹東急も、月曜22時30分からの「月曜ドラマ」と土曜23時からの「土曜ドラマ」を作り、第1弾の志田未来さん主演作「いぶり暮らし」、滝藤賢一さん主演作「家電侍」を放送しています。

ただ、ドラマの視聴率は下がり続け、世帯視聴率で2桁を確保できる作品は2作程度に留まっているのも事実。なぜドラマ枠は各局にわたって急増したのか。その理由からテレビ業界の“変心”と“危うさ”がうかがえるのです。

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