これまでとまったく違うヤバい円安が起きている デフレマインドに支配されているのは日銀だけ

✎ 1〜 ✎ 110 ✎ 111 ✎ 112 ✎ 最新
拡大
縮小
衆議院で説明する日銀の黒田総裁。円安はヤバい状況に陥っている(写真:つのだよしお/アフロ)

円安はヤバい。

このままでは、日本経済は破綻への道をまっしぐらだ。

これまでとまったく違う円安が起きたワケ

3月28日、為替は一時1ドル=125円を突破した。これは、10年物国債利回りが0.25%に上昇したため、日銀は複数日にまたがって国債を決まった利回りで無制限に買い入れる連続指し値オペを初めて実施すると発表したことによる。つまり、日銀は、長期金利を抑え込む姿勢を鮮明にし、為替トレーダーは、アメリカ中央銀行であるFEDとの方向性の違いが改めて鮮明になったことを嫌ったのだ。

この連載は競馬をこよなく愛するエコノミスト3人による持ち回り連載です(最終ページには競馬の予想が載っています)。記事の一覧はこちら

29日、岸田文雄首相は原油価格・物価高騰への総合緊急対策を4月末までに取りまとめるよう関係閣僚に指示した。そして、30日には、官邸に黒田東彦総裁が呼ばれ、岸田首相と1時間会談した。これを受けて、円は1ドル=121円台まで戻した。

わざわざ誰もが知っているこの数日の円の大幅下落と乱高下を改めて描写したのは、今回の円の大幅下落は、これまでの円安局面とまったく違うことを改めて示すためである。

それは、ほぼすべての日本の人々が、円安を悪いことだと思っているということだ。政治家たちまでもが、円安を止めるために躍起になっているのだ。これは画期的だ。

そして、さらに驚くべきことは、その中で、日銀だけが円安を指向しているということだ。これは、日本の戦後において初めての状況であり、まさに歴史的転換点なのである。

次ページ日銀は「最悪のこと」をした?
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT