マクドナルドを悩ます「ポテトショック」の深刻度 輸入遅延繰り返す恐れ、ポテチ各社は値上げへ

✎ 1〜 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 5 ✎ 最新
拡大
縮小

マックフライポテトの一部休売を招いた「ポテトショック」。生産や輸入の現場に目を向けると、状況はまだまだ波乱含みだ。

マクドナルドの店頭では、マックフライポテトの一部休売について掲示されている(記者撮影)

特集「値上げの裏側」の他の記事を読む

業績絶好調の外食企業を年末年始に襲ったのは、まさかの「ポテト騒動」だった。

「マクドナルド」を展開する日本マクドナルドホールディングス(HD)は、2022年1月9日から「マックフライポテト」のMサイズとLサイズの販売を一時休止、Sサイズのみの販売としている。アメリカやカナダの農場で生産されている、原材料のジャガイモの輸入が遅延しているためだ。

マクドナルドは2021年の12月24~30日にも、MサイズとLサイズの販売を一時休止していた。1週間と短く済んだこの期間と異なり、今回は1カ月程度の販売休止を同社は見込んでいる。

マックフライポテトに使われる原材料のジャガイモは主に船で輸送されるが、港湾労働者やコンテナの不足を理由にアメリカなどでは滞船が生じている。船便の経由地であるカナダのバンクーバー港近くで起きた大規模な洪水も影響した。

そこにカナダでの大雪や航路上での悪天候が襲い、2022年1月上旬から中旬にかけて予定していた船便の到着にさらなる遅れが生じた。

販売制限はこれが最後とは限らない。新たなリスク要因もすでに見えているからだ。

次ページ国産で代替できない?
関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
値上げの裏側
企業物価の上昇で日本もインフレに突入するか
消費者に対する値上げの難しさも
「物価上昇」を読み解く8つのポイント
上昇はいつまで?Q&A形式で解説
高速バスの収入10%増!「値付けテック」の正体
交通業界で動き出す、「変動料金」の導入論議
マクドナルドを悩ます「ポテトショック」の深刻度
輸入遅延繰り返す恐れ、ポテチ各社は値上げへ
オーケーと対決、花王「値上げ宣言」で広がる茨道
ドラッグストアも反発、ライバルもお手並み拝見
ティッシュ、印刷用紙、「紙の値上げ」は止まらない
業界首位の王子HDの動向に注目が集まる
メリーズは初、花王「戦略値上げ」宣言の一部始終
オーケーの販売中止で脚光、10%値上げの帰趨
コカ・コーラの「値上げ」に戸惑うライバルの本音
追随値上げできずに「がまん大会」の様相
小麦ショック「17%値上げ」が招く深刻インパクト
ウクライナ危機で一段の値上げの恐れも
オーケー、値上げ局面でも「毎日安売り」変えない
調剤併設店を増やしてドラッグにも徹底対抗
ユニクロ「値上げ宣言」に踏み切れない複雑胸中
柳井氏の慎重発言に透ける国内の特殊事情
アサヒビール「異例値上げ」を真っ先に決めた胸中
減税の追い風が吹く中で「14年ぶり値上げ」へ
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内