石破氏に秋波も!菅氏が「勉強会」発足へ今動く訳 自民党の冷や飯組の"駆け込み寺"になる可能性

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勉強会の発足に動き始めた菅義偉前首相(写真:尾形文繁)

ウクライナ危機とコロナの挟撃に岸田文雄首相が苦闘する中、菅義偉前首相が党内有志議員による「勉強会」発足に動き始めたことが波紋を広げている。いわゆる「菅グループ」を軸とした反主流派結集となれば、岸田政権への露骨な揺さぶりともなるからだ。

昨年暮れから政治の表舞台で再始動した菅氏は、ここにきて周辺に2022年度予算成立後に勉強会を立ち上げる意向を漏らしている。ただ、派閥結成を否定してきた菅氏は「勉強会」について、菅政権で掲げた重要政策の実現を目指す政策集団と位置付ける構えだ。

菅氏は首相在任時、コロナ対応での国民の厳しい「後手」批判などで求心力を失い、「菅首相では衆院選惨敗」とする自民内の“菅降ろし”に屈して、党総裁選直前の退陣表明に追い込まれた。しかし、ワクチン接種などで示した手腕への再評価に気力を取り戻し、最近の言動ではキングメーカーへの意欲もにじませる。

ただ、ロシアのウクライナ軍事侵攻での国際社会の緊迫と混乱は、「戦後最大の国難」(岸田首相)であることは否定できない。その中で前首相が政局的な動きをすることへの与党内の反発も多く、「菅氏についていく議員は限られる」(麻生派幹部)との厳しい声も少なくない。

発足は3月末から4月上旬が見込まれている

菅氏は「公約した政策には責任がある」として、勉強会での最重要テーマを、菅政権発足時に掲げた、2050年に温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」の実現とする考え。併せて、不妊治療の支援策などにも積極的に取り組む意向とされる。

注目の勉強会発足の時期は、2022年度予算成立と、ウクライナ危機の展開も踏まえ、3月末から4月上旬が見込まれている。菅氏はそれまで、党内の幅広い人脈を活かして参加者を拡大させ、初会合にこぎつける戦略とみられる。

また菅政権で推進した省庁改革の一環として、コロナ対応で国民的批判を浴びた厚生労働省の組織見直しにも取り組む意向も示しているとされる。

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