「被扶養者が社会保険に加入すると得」のカラクリ 収入減でも傷病手当金や年金額増などで利点大

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社会保険に加入せず、年収130万円未満の「被扶養者」として働いている人は必見です(写真:mits/PIXTA)
いま、将来への不安から「お金の増やし方」の本が人気です。しかし、そのほとんどは「投資」を勧める本です。たしかに投資でうまくいけば、大金を手にできるかもしれませんが、なかにはリスクが怖くて一歩踏み出せない人もいます。
「お金を増やす方法は投資や倹約だけではありません」と語るのは、お金の知識を活かしてセミナーや記事執筆を手がける、社労士・FPであり、元保険販売員でもある佐藤敦規さんです。「給付金や年金といった便利な仕組みをフル活用することで、リスクをかぎりなく抑え、堅実にお金を増やしていけます」。本稿では佐藤敦規さんの著書『リスクゼロでかしこく得する 地味なお金の増やし方』から、無理なく確実に得するためのヒントを3回にわたって紹介します(1回目の記事はこちら)。

パートやアルバイト、契約社員といった働き方をする人で、社会保険に加入せずに、「被扶養者」として働いている人は少なくありません。なぜなら、被扶養者で働いている人が社会保険に加入すると、毎月、厚生年金保険料や健康保険料が給料から引かれるようになるからです。つまり月々の手取りが減ってしまうのです。

一方で、「第3号被保険者」という立場でいれば、上記の社会保険料は支払わずに済みます。1円も払わずに、配偶者の健康保険証を使って病院で診てもらえるのです。こうした事実を考慮して、被扶養者でいるために、あえて月20時間以内、年収130万円未満に収まる働き方をしている人は少なくないのです。

社会保険の加入で厚生年金が受け取れる

しかし私は、たとえ収入が減っても、社会保険には加入するほうがよいと考えています。

社会保険に加入すると、厚生年金が受け取れるようになります。主に企業に勤める人が受け取る年金であるため、契約社員やアルバイトといった非正規雇用の人は対象外と思われがちですが、下記の条件を満たせば70歳まで加入できます。

◉週30時間(従業員数501人以上の会社は週20時間)以上の勤務
◉年収105万6000円(月収8万8000円)以上

この条件は、2022年10月からは週20時間以上、従業員数101人以上、2024年10月には同51人以上に拡大されます。2カ月以上勤務していて、先ほど挙げた時間数働いている人は、厚生年金に加入できるのです。

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