コロナ禍でも「日々を豊かに」できる感性の磨き方 細かい変化に気づく「観察力」を身につけよう

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コロナ禍でも豊かな生き方ができる、感性の磨き方を陶芸家で器アーティストのSHOWKOさんが紹介します。1回目は「観察力」の身につけ方です(写真:Fast&Slow/PIXTA)
いま、「決められない⼈」が増えています。「トレンドを追う」「⼝コミを参考にする」「みんなが⾒ているものを⾒る」。情報があふれ、SNSでもさまざまな意⾒が⾶び交う現代で、「流されずにいる」ことは簡単ではありません。「⾃分に似合うもの」「⾃分が好きになれるもの」。コロナによって内省的になっているいまだからこそ、これらの⽬に⾒えない価値を感じ、自分だけの正解を選び取れるようになりたいものです。
「自分で感じて選び取るための“感性”は、習慣によって養われます」と語るのは、京都で330年続く陶芸の名家に⽣まれ、器アーティストとして世界で個展を開くなど活躍しているSHOWKO(ショウコ)さんです。「いまでこそ器をつくったり、ホテルの内装を手がけたりしていますが、社会人になるまで芸術に関する勉強をしたことはありませんでした。いまの作品づくりで発揮している感性は、すべて日常の習慣で養われてきました」。SHOWKOさんの著書『感性のある人が習慣にしていること』から、無理なく感性を養っていくためのヒントを紹介します。

江戸時代中期に京都で人気を博した画家の伊藤若冲は、花鳥画「動植綵絵(どうしょくさいえ)」を描く際に、1日中、自宅で飼っている鶏を観察していたといいます。実際に生きる鶏を丁寧に観察したからこそ、羽の1枚1枚、尾の先の躍動感まで、リアルに描くことができたのでしょう。

「微かに木々が揺れている。すこし風が吹いているのかな」

「川の音がいつもより大きいから、昨夜は雨が降ったのかな」

日常生活でも、味覚、嗅覚、視覚、聴覚、触覚に集中して過ごすと、いろんなことに気がつきます。これは自分の美意識の定規に、細かい目盛りを刻んでいくことといえるでしょう。

感性のある人は小さな変化にも敏感

感性のある人は、身の回りの細部や変化をとてもよく見ています。だから、人と同じものを見ていても、他人とは違うことに気づき、たくさんの感覚や感情を得られるのです。どんなに細かい変化や違和感にも気づこうとする「観察する習慣」を身につけ、これまで目を向けていなかったことを意識して見つめ、日常を解像度高くとらえてみましょう。

この「観察する習慣」について、いくつかご紹介します。

■「同時にこなす」意識をもつ

生活しているだけでどんどん家が散らかっていく人と、そうでない人がいます。この違いの理由は、ふだんの行動に隠されています。後者は、一度の動きで複数の仕事をしている人なのです。

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