「組織が大きい会社ほど安泰」と考える人の失敗 中には「市場シェアを一気に落とす大企業」も

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転職で、大手かベンチャーと悩まないために(写真:y.uemura/PIXTA)
転職において、「これから成長するベンチャー企業」を見極めるために必要なヒントを紹介。「たいろー」名義で転職やキャリア、テック業界の情報を発信する森山大朗氏の初の著書『Work in Tech! ユニコーン企業への招待』より一部抜粋・再構成してお届けする。

転職において、よく「行くべきなのは大手か、ベンチャーか」という議論があります。しかし、その悩み方は意味がないと思います。

僕は「転職するなら急成長企業一択」と繰り返し主張していますが、なぜ急成長企業なのかというと、「ベンチャーかつ大手企業」になり得る可能性があるからです。

僕自身、転職では何回か痛い目を見ているので、ここで「大手」「大企業」「中小企業」「ベンチャー」といった言葉の意味を整理しながら説明させてください。

「ベンチャーと大手」の二項対立は無意味

まず、「大手か、ベンチャーか」という悩みを抱える人は、頭の中では「大きい会社と小さい会社の比較」で考えていることが多いです。

(出典:『Work in Tech! ユニコーン企業への招待』(扶桑社)より)

しかし、このような二項対立で考えていると、次のようなすれ違いが生じてしまいます。

✓大手に入社できたと思ったら、これといって強い事業がなかった
✓ベンチャーに転職したはずが、ただの中小企業だった(僕の2社目のケース)

大手企業の第一条件とは、組織規模が大きいことではありません。それは「大手」ではなく「大企業」です。「大手である」ことの第一条件は「市場シェアが高い」ということであり、組織規模の大きさではないからです。

つまり、特定のマーケットにおいてお客さまからより選ばれているということです。そして、市場シェアの高さが収益性に直結し、平均給与と正の相関となって表れるのです。

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