メンタル崩壊から復活した30代男性が語る「教訓」 元エリート自衛官に起きたまさかの事態

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メンタル崩壊から復活した男性。彼が語る教訓とは?(写真:mits / PIXTA)
仕事で華々しく活躍していた人があるとき、メンタルダウンして職場を去っていくーー。他人事ではない人も多いのではないでしょうか。
私たちは仕事における孤独やストレス、困難とどう向き合うべきか。そもそも、メンタルは鍛えられるのか。過去に厳しい体験をしてきた人に、心のあり方や試練の乗り越え方について聞きます。
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朝6時のラッパ音に飛び起きる日々

今回登場いただくのは、元エリート自衛官だったわびさん(仮名・30代)。現在は外資系企業で健康的に働いているが、うつになり休職、復職を経て転職した経緯がある。

わびさんは宮崎県で起きた口蹄疫や、東日本大震災ほか、多数の災害派遣の指揮所でも活躍した人物。現在は妻と双子の子ども4人で暮らしている。

いったいどんな職場だったのか。わびさんに聞いてみると、自衛隊の訓練は想像する以上にハードだった。

まず、陸上自衛隊の幹部候補生が集まる学校の一日は、朝6時にラッパ音で起こされるところから始まる。外に向かって「おはよう!」と絶叫した後、2、3分で着替え、ベッドを整え、上半身裸で外に駆け出す。点呼が終わると腕立て伏せをするのがルーティンだった。

卒業して、幹部自衛官になった後も訓練は続く。たとえば、暑さ寒さが過酷な現場では、テントの室温が50度前後にも及ぶ状況で指揮を取ったかと思えば、マイナス15度の極寒の地で訓練をしたことも。寒さのあまり、普段優しくて温厚な人でもキレやすくなったり、攻撃的になる傾向もあったそうだ。

そんな中、わびさんは幹部上級過程において歴代優秀者の中に名を連ね、知識、技術ともに高い評価を得ていた。多忙な業務をこなしつつ、上司や同僚にも恵まれた。あとは着実に、一歩一歩ステップアップを重ねて昇進していく……はずだった。

ところがわびさんは、部署異動をきっかけに壮絶なパワハラに遭遇する。耐えに耐えた結果、最終的にはうつ病を発症し、休職を余儀なくされてしまった。

同期の中でもトップの成績を残し、誰よりもメンタルが強いと自負していたわびさん。いったい何が起きたのか。

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