ボディビル世界王者が指南「才能開花」の3条件 素質以上に大事な「とことんハマる性分」

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2016年、「アーノルド・クラシック212」で日本人初優勝を成し遂げた山岸秀匡氏(写真は筆者提供)
ステージ上の一瞬のパフォーマンスのために、長い月日をかけて日々鍛錬と摂生を習慣化し、最終的には審査員の評価ひとつで勝敗が決まるボディビルの世界。日本人で初めて世界大会のチャンピオンに輝いた、ボディビル界の“生けるレジェンド”が山岸秀匡さんです。
12月20日に発売した初の著書『筋トレは人生を変える哲学だ』より一部を抜粋し、心身ともにストレスフルな業界で培った、応用可能な“成功のつかみ方”を伝授します。

「とことんハマる性分」は才能である

 ボディビルディングとは、筋肉を大きく育てて脂肪を極限まで落とす行為です。

「筋肉を育てる」とは、食事を通じて筋肉の材料を取り入れつつ、トレーニングを通じて筋肉を刺激し、サイズアップを図ること。「脂肪を落とす」とは、食事から摂取する脂質を必要最低限の量と質に抑えながらカロリーコントロールをしつつ、トレーニングを継続的に行うこと。

このように書き出すとさして難しいことではないように思うかもしれませんが、24時間365日、いついかなるときであってもコンディションのことを考え続ける必要があります。だから、風呂や歯磨きのように生きるうえで当たり前のこととして身につくまでは、なかなかしんどいところがあるものです。

ボディビルダーとして成功するには生まれもった素質が重要だとよく言われていますし、私自身もそのように思います。身体つきももちろんありますが、実はそれよりも大事なのは食事やトレーニングを半永久的に考えて取り組み続けることができる才能、ボディビルにとことんハマる性分であるかなのです。

継続は力なり、ということわざがあります。ボディビル競技は、まさにその通りです。大学時代に競技を始めて30年近く続けてきましたが、その過程では何人もの逸材がたった一度きりでステージを降りていくのを見てきました。

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